矢部 纏めさせていただくと、やっぱり対米従属ってね、言いますけれども。
その内容をもうちょっと、やっぱり、ちゃんと分析してみないといけないのは、これはあちらの公文書がありますけれども。
政治と経済に関してはね、そういう法的な支配関係はもうないですよ。ただ、他の国もアメリカとは優劣の関係が、同じような関係はあるんですけれども、政治と経済に関してはもう、そういうことは占領以降ない。
ただ軍事は、もう完全に占領体制よりももっと悪い。結局、朝鮮戦争の時にできた体制がそのまま続いているんですね。
天木 そういうことですね。自衛隊もそうですしね。
矢部 だから、そういう辺野古とか、高江とか、無茶苦茶なことが起こってるんですけれども。
でも冷戦の時はね、結局米軍っていうのは西側世界にとっての国連軍的な役割も果たしてたから、まあそれと、要するに自衛隊は国外に出ない、つまり、自衛隊が武力を行使するのは防衛戦争だけという縛りがありましたから、ぎりぎり、そこで矛盾が露呈しないようになってたんですね。
で、そういうのを支えてたのが、まあ戦争経験のある自民党の政治家と、それから天皇陛下だったということで。
まあその両者がね、もう来年ぐらいにほぼ退任されるわけですから。
やっぱり、そういう新しい時代に相応しい、新しい体制を作る時期に来ているということだと思います。
「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」刊行記念対談 天木直人✕矢部宏治
対談動画2:【論点】アメリカの既得権益と日米合同委員会について
著者:矢部宏治(やべ・こうじ)プロフィール
1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。
株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。
著書に累計17万部を突破した『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』
『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、
『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)など、
共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。
企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J.M.ロバーツ著『図説 世界の歴史』(全10巻)、
「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。
『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)
現代ビジネス「なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟」
天木直人プロフィール
元外務省職員、作家。
京都大学法学部を中退し外務省入省後、豪州日本国大使館公使、レバノン国特命全権大使などを歴任。
イラク戦争当時、ブッシュ米大統領のイラク攻撃を支持した小泉首相に反対し外務省から罷免。
現在は、高級官僚や小泉政権の腐敗ぶりを暴くなど、自由な立場から言論活動を続ける。
著書に『さらば日米同盟! 』(講談社)、『さらば外務省!』(講談社)等。
天木直人 著書
・さらば外務省! ―私は小泉首相と売国官僚を許さない (講談社)
・マンデラの南アフリカ ―アパルトヘイトに挑んだ外交官の手記 (展望社)
・外交力でアメリカを超える ―外交官がたどり着いた結論 (かもがわ出版)
・九条新党宣言 (展望社)
・怒れ、9条! ―憲法9条こそ最強の安全保障政策だ
・イラク派兵を問う (岩波書店)
・ウラ読みニッポン ―新聞ではわからないことがわかる本 (講談社)
・さらば小泉純一郎! (講談社)
・アメリカの不正義 ―レバノンから見たアラブの苦悩 (展望社)
・さらば日米同盟! 平和国家日本を目指す最強の自主防衛政策 (講談社)
・自立する国家へ! (ベスト新書)
・アマル それは希望 ―七つの愛のアンソロジー (ゆにっとNOVELS)
音楽が邪魔。余計。聞きにくい。