新党憲法9条

憲法9条それは希望

米国の中間選挙が教えてくれた日本の政治の絶望的状況


 きょうの各紙が一段の小さな記事で一斉に報じていた。

 日米両政府は来年1月に外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開催する方向で調整している事がわかったと。

 これだけなら、「また2プラウ2か、それにしても頻繁に開くものだ」と見過ごすしてしまう記事だ。

 ところが、その記事を報じる同じ紙面で、どの新聞も大きく報じている。

 防衛力強化に関する政府の有識者会議は9日、第3回会合を首相官邸で開き、防衛力強化で一致したと。

 この有識者会議のメンバーは、佐々江賢一郎座長(前外務事務次官、駐米大使)をはじめ、官僚OB、御用学者たちで占められている。

 はじめから憲法9条違反の日米同盟強化を最優先するという、「結論ありき」の会議だ。

 そして、その提言が国家安全保障戦略関連3文書にそのまま反映され、岸田政権の外交・安保政策になる。

 統一教会問題一色の今国会では、この3文書はまともな議論なく採択される。

 本格的な議論は来年1月からの通常国会で始まるはずだ。

 ところが、その前に、日本政府はそれを米国に報告し、米国の了承を得る。

 それが、きょうの各紙が一段の小さな記事で教えてくれる来年1月の「2プラス2」なのだ。

 日本国民への説明や、まして了承もないうちに、米国に伝えて了承を得ようする岸田政権。

 しかもである。

 その米国がしっかりしていればいい。

 しかし、来年1月といえば、米中間選挙が終わって混迷の中でバイデン政権後半がスタートする時だ。

 バイデン政権の外交・安保政策がどうなるかまだ分からない時だ。

 それにもかかわらず、松野官房長官はきのう9日の記者会見でこう語っている。

 「(中間選挙の結果がどうであれ)日米同盟は揺るぎなく、その重要性について、民主党、共和党を問わず、共通の認識が存在していると考えている」と。

 米国が分断の危機にある時こそ、日本はその米国を見極めて、自主、自立した外交を目指すべきだ。

 そかし、米国が分断され、混迷してもおかまいなしで、まるでパブロフの犬のように、「日米同盟は揺るぎない」を繰り返す日本。

 日本の対米従属ここに極まれりだ。

 おそらく、野党は、この2プラス2の記事を見ても、何も反応を示さないだろう。

 国家安保戦略3文書についてすら、今の野党はまともな議論をする気はないだろう。

 それどころではない。

 統一教会問題をめぐり与党と野党が、一致して法案づくりで合意した。

 しかも、野党が共闘して自民党と法案づくりをするのではなく、茂木幹事長が野党幹事長らと個別に協議して法案をつくろうとしている。

 そしてその野党の中には、共産党、れいわ、社民党の姿はない。

 これを要するに、自民党は左翼政党だけをのけ者にして、保守・中道の大連立政治をつくろうとしているのだ。

 ひょっとして、岸田首相はいざとなれば安倍派を切り捨て自民党を割り、自分の後は立憲の最高顧問である野田佳彦を首相に担ぎ上げて、あらたな連立政権をつくるつもりかもしれない。

 かつて自民党が生き残りのため、社会党の党首である村山富市氏を首相に担ぎ上げて政権を維持した事があった。

 それを考えると野田佳彦氏を首相にかつぎあげるぐらい朝飯前かもしれないのだ。

 それなら、日本共産党は、立憲の左翼政治家やれいわ、社民と組んで、岸田大連立政権を迎え討ったらどうか。

 しかし、決してそうならないだろう。

 共産党やれいわや社会党は、決して一つにまとまらない。

 憲法9条を守れとは言っても、日米安保反対とは言わない。

 ロシアや中国、北朝鮮を批判する事では、彼らは自民党と同じだ。

 日本の政治はどうすればいいのか。

 いまこそ沖縄党だ。

 い沖縄党が新党憲法9条になるときだ。

 いくら私がそう訴えても、沖縄はオール沖縄から一歩も抜け出そうとしない。

 米国の中間選挙が教えてくれたのは米国の政治の分断と混迷である。

 しかし、同時に教えてくれたのは、日本の政治の絶望的状況である(了)


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