きょうのメルマガのテーマは何といってもこのニュースだ。
きょう11月24日の朝日新聞が、ワシントン発下司佳代子記者の記事でこう教えてくれた。
「ロシアのミサイルがポーランドに侵入し、2人を殺害」と報じたAP通信の第一報が誤報だったというのだ。
その第一報は確か11月16日だったと思う。
その時は、インドネシアでG20が開かれ、ロシアのウクライナ侵攻について議論の真っ最中であったこともあり、すわ、第三次戦争か、と皆の頭に緊張が走った。
私も衝撃を受けた。
ところが、その世紀の第一報が、実は誤報だったというのだ。
AP通信が、あの記事は誤報だったと、11月22日の記事で認めたという。
そして、その誤報は言語道断の誤報だったとまで否定して、書いた記者を解雇したという。
物凄いニュースだ。
なぜこのような大誤報が起きたのか。
それは書いた記者が、匿名の情報源に関する社内基準を守らなかったからだという。
つまり、匿名の情報源を使う際は、情報源の身元を知らされている管理者の承認を得る決まりがAP通信社にはあるらしい。
ところが、管理者(副社長らしい)は、その情報源が今回の記事に使われる事を知らされていなかったという。
この朝日の記事を読んで、様々な事が頭に浮かんだ。
真っ先に頭に浮かぶのは、バイデン大統領が即座にこのニュースの信ぴょう性を否定した事だ。
すなわち、記者から聞かれたバイデン大統領は、あのミサイルはロシアから発射されたものではないと思うと、自信を持って語っていた。
その時、報道が解説したのは、第三次世界大戦に発展することを恐れたバイデンが火消しに努めた、というものだった。
それもあるだろう。
しかし、何よりも、バイデン大統領は、米国の情報機関がつかんでいる情報を誰よりも先に知っていたのだ。
だから自信ありげにそう言う事ができたのだ。
言い換えれば、米国の情報機関はロシアの動向をすべてつかんでいるということだ。
二つ目に気づいたのは「匿名の情報源」とは誰かということだ。
下司記者の記事によれば、匿名を条件にAPの記者に語った者は「米情報機関の高官」となっている。
それが事実なら、その米国の高官はわざと偽情報を流してAPに書かせ、ロシアを悪者にしようとしたのではないかということだ。
三つ目に気づいたのは、管理者(副社長)と記者の間で食い違いがあることだ。
つまり、記者は副社長に情報源の審査を受けたと主張し、副社長はこの情報源が今回の記事に使われている事を知らなかったと否定してるという。
さては、副社長こそ、米国情報機関の高官と通じているのではないか、それがばれる事を恐れて記者を解雇したのではないか、という疑問も湧く。
いずれにしても、きょうの朝日の「AP通信の誤報」記事は、実に興味深い記事である。
いま、今度のロシア製ミサイルのポーランド着弾事件は、米国とNATO、ウクライナ、ポーランドらが共同して調査しているらしいが、いつまでたっても結論が出そうもない。
私は、その事と、このAP通信の誤報問題とは密接な関連があるような気がする。
果たして真相はどのように結果になって終わるのだろう。
その結果を待たなくても、ひとつだけはっきりしている事がある。
ゼレンスキー大統領は、バイデン大統領が否定した後も、ミサイル発射はウクライナではないと否定し、ロシアを非難し続けた。
これにより、これまでのゼレンスキー発言の信ぴょう性が一気に崩れ去り、米欧のウクライナ支援疲れが感じられるようになった。
ひょっとしてAP通信の大誤報がウクライナ戦争の流れを変えるかも知れない。
そうなればAP通信の大誤報が大殊勲になる。
私はそうなることを期待する(了)
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