11月18日の毎日が書き、11月21日の日経が書き、そしてきょう11月22日の産経と朝日が書いた。
11月26日に行われる台湾の統一地方選の事である。
私が注目したのは、全ての新聞が蔡英文総統率いる与党民進党が苦戦していると書いているところである。
日経に至っては、与党大苦戦、大敗の可能性すらある、と書いている。
その理由として、地方選挙は総統選挙と異なり、中台関係が争点にならず、景気低迷や物価高への不満が与党・民進党候補を苦しめているからだという。
それに危機感を抱いた蔡英文総統は、「中国の共産党大会後の初の選挙だ」、「台湾人がどんな判断を下すのか。民主主義・自由主義を守る決意を世界に示したい」とことさら中台問題に焦点を与えようとしたという。
それでも国民党優位は変わらないらしい。
もし今度の統一地方選で与党・民進党が負ければ、24年の総統選への影響は必至だと言う。
しかし、もっと重要な事は、もし大敗すれば、24年の総統選を待たずして蔡英文氏は即引責辞任する可能性が出て来るということだ。
規定によって、連続2期の蔡英文氏は24年の総統選にはいずれにしても出馬できないが、このまま蔡英文総統が任期いっぱいまで続けば、その間に台湾有事はさらに危険性が高まる。
大敗して即刻辞任と言う事になれば台湾情勢も変わるかもしれない。
いくら米国が台湾有事を煽っても、肝心の台湾が動かなければどうにもならないからだ。
私は今度の台湾の統一地方選で蔡英文総統率いる民進党が大敗してくれる事を願う。
そう思った後で、私は気づいた。
ひょっとして今度の台湾有事は、米国と蔡英文総統の合作でつくられたシナリオではなかったのかと。
もっと言えば、蔡英文総統そのものが、米国の作り上げた台湾の総統だったのではないかと。
11月18日の毎日新聞の台湾の統一地方選に関する特集記事の中に次のようなくだりを見つけた。
つまり、「台湾経済が中国に飲み込まれる」と反発した若者らが立法院(国会)の議場を占拠する「ヒマワリ学生運動」が起き、2014年の統一地方選では対中警戒感が投票行動に影響し民進党が圧勝したと。
そしてその勢いに乗って2016年の総統選では、蔡英文氏が馬英九氏を破り政権を国民党から奪い返したと。
ところが、2018年の統一地方選では再び内政が争点となり経済停滞や年金改革などへの不満が噴出、国民党が巻き返し、民進党が大敗して蔡英文氏は民進党主席(代表)を引責辞任せざるを得なくなったと。
しかし、その翌年の2019年に香港で大規模な自由化デモが起き、それを中国政府や香港当局が弾圧した事で再び台湾で「反中」機運が高まり、2020年の総統選で蔡英文総統が再選された・・・
ウーン、どう考えても米国の影がちらつく。
果たして、数日後に行われる2022年の台湾の統一地方選挙はどのような結果になるのか。
米国はみすます蔡英文総統の敗北を眺めるのか。
それともサプライズが起きるのか。
サプライズが起きずに蔡英文総統の指導力にかげりが出ても、蔡英文総統が総統にとどまるうちに台湾有事が一気に進むのか。
最大の見どころである(了)
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