新党憲法9条

憲法9条それは希望

天皇陛下のメッセージ/天木直人✕矢部宏治 対談動画part6「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」刊行記念

 

天木 あと、それからもう一つ、私が矢部さんの本のなかで、ここにあるかどうか分かりませんけど、天皇陛下のお言葉について書かれたんですね。

矢部 はい、これですね。

天木 私はこの本の書かれたタイミングがいつか、ちょっと記憶にないんですけど、ご承知のように、去年の88日に天皇はお言葉を発せられたんですよね。

そして、そのお言葉をきっかけにですね、今の天皇はおそらく来年の末には、ほぼ退位の方向が決まると。

その天皇が、あのお言葉で仰りたかったことは一体何なのかと。

もちろん、いくつかあってですね、それぞれが重要な意味がありますけれども。私はその非常に大きな一つはね、「憲法9条を守れ」というメッセージだったと私は思ってるんですね。

で、そのことについて矢部さんどう思われますか。

矢部 この明仁天皇というのは、みんな、これまであんまり注目してこなかったんだけれども、やっぱり、ものすごいことをやってきた方なんですね。

元々、まあどちらかというと私もリベラル派なんで、天皇制というものにも元々は批判的だったんですけれども、この方のやってきたことを見ると、それはもう尊敬せざるをえないっていうぐらいのことをやってられているんですね。

それで、そういう矛盾に満ちた日米安保体制の下での、平和な戦後日本っていうのがあったわけですけれども、それを体現されてきた方ですね。体を張って食い止めてきた。

で、その最も大きなね、日米安保体制の矛盾である沖縄問題に、本当に体を張って向き合ってきた方だと。

僕も、これをずっと調べてみて、もう何かすごくびっくりしました。ああ、こういう人だったのかと。

天木 私も全く同感でですね。私は実は、この天皇陛下の8月のお言葉っていうのは、戦後の日本のですね、国体、つまり国の基本的姿勢をですね、どうするかっていう、ものすごく大きな問題提起をされたと。

で、それはどういうことかっていうとですね。ご承知のように、日本の戦後の歴史はですね、平和憲法。その前にですね、象徴天皇制。つまり天皇制を残すと。

つまり、あのときに国際的な議論は、天皇陛下の政治責任を追及してですね、天皇をなくすと、処罰するというかどうかが一大主題論であって、結果的には、象徴天皇として残ったわけです。

同時にですね、日本には二度と武力を持たせない、二度とあのような軍国主義を復活させないと。その意味で非常に厳しい条件が課せられ、それが平和憲法に反映されたと。

で、同時にですね、どうやって日本を守るんだと。まあ、それはさっき言った国連ですけども。しかし、国連の前提としての日米安保条約。これは三位一体だったわけです。ですけども、平和憲法と日米安保条約はもう完全に矛盾するわけです。

で、この矛盾したですね、三位一体の戦後の国をどうやって戻すかというのが、非常に大きなテーマだったんですけれども、幸か不幸かですね、国民はそのことを追求せずに、非常に幸せな矛盾を抱えて今日まで来たと。

だけどそれは、いわばですね、ごまかしなんですね。いつかは必ず、その三位一体のどちらかが優越していくと。

で、まさに今の現状はですね、日米軍事同盟がはるかに優先して、どんどんどんどん日本が戦後の日本でなくなりつつあると。

私は天皇のお言葉はですね、そうあってはならないと。この矛盾を解消するのは、憲法9条を最優先すべきだということだと、私は思ってるんです。

憲法の中にですね、公務員の憲法擁護主義っていうのがあるんですね、99条に。

その中に、天皇も含まれてるんですよ。これ、みなさんご存知ですか。私は、天皇こそがですね、日本国民の中で、一番護憲を重視された人だと。それが、あのお言葉であると。

ですから私は、あのお言葉がですね、今、こういう日本の状況下において発せられてですね、そして残念ながら、その天皇のですね、何て言いますか、あの発言は政治、政治的なことに関与しないという憲法を逸脱したものだという批判は言われているわけですけど、そのリスクをあえて冒してまで、天皇陛下があそこまで言われたということはですね、やっぱり国民は深刻に受け止めるべきだと。

その議論を何もしないままですね、やがて来年、天皇は退位されるわけですけれども、やはり、その前にこの矢部さんのですね、提起された本の問題点は、国民はよく知る必要があるという気がします。

「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」刊行記念対談 天木直人✕矢部宏治

対談動画1:日米関係の研究家 矢部宏治さんの紹介

対談動画2:【論点】アメリカの既得権益と日米合同委員会について

対談動画3:【論点】オスプレイ問題

対談動画4:【論点】集団的自衛権の次に起こることは何か?

対談動画5:【論点】国連は平和を守れるか?

対談動画6:【論点】天皇陛下のメッセージ

対談動画7:【論点】対米従属

対談動画8:【まとめ】私達、日本人はどうすれば良いのか?

対談動画9:【まとめ】新党憲法9条について

著者:矢部宏治(やべ・こうじ)プロフィール

1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。

株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。

著書に累計17万部を突破した『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』

『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、

『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)など、

共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。

企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J.M.ロバーツ著『図説 世界の歴史』(全10巻)、

「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。

『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)

現代ビジネス「なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟」

天木直人プロフィール

元外務省職員、作家。

京都大学法学部を中退し外務省入省後、豪州日本国大使館公使、レバノン国特命全権大使などを歴任。

イラク戦争当時、ブッシュ米大統領のイラク攻撃を支持した小泉首相に反対し外務省から罷免。

現在は、高級官僚や小泉政権の腐敗ぶりを暴くなど、自由な立場から言論活動を続ける。

著書に『さらば日米同盟! 』(講談社)、『さらば外務省!』(講談社)等。

天木直人 著書

・さらば外務省! ―私は小泉首相と売国官僚を許さない (講談社)

・マンデラの南アフリカ ―アパルトヘイトに挑んだ外交官の手記 (展望社)

・外交力でアメリカを超える ―外交官がたどり着いた結論 (かもがわ出版)

・九条新党宣言 (展望社)

・怒れ、9条! ―憲法9条こそ最強の安全保障政策だ

・イラク派兵を問う (岩波書店)

・ウラ読みニッポン ―新聞ではわからないことがわかる本 (講談社)

・さらば小泉純一郎! (講談社)

・アメリカの不正義 ―レバノンから見たアラブの苦悩 (展望社)

・さらば日米同盟! 平和国家日本を目指す最強の自主防衛政策 (講談社)

・自立する国家へ! (ベスト新書)

・アマル それは希望 ―七つの愛のアンソロジー (ゆにっとNOVELS)

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