矢部 で、もう一つね。最近は、ずっと問題になっている、オスプレイの問題ですよね。
天木 ええ、はいはい。
矢部 あれは天木さんよくご存知のように、アメリカではもうほとんど訓練できないわけですよね。
天木 はい、できないですね。
矢部 で、しかもひどいのは、遺跡の上とか、そういうところでさえできないわけです。ところが、日本では高江なんかを見ても分かるように、もう住民の健康に被害が出るような低空をどんどん飛んでるわけですよね。
天木 いや、私はオスプレイで非常に象徴的といいますか、もうこれは国会でも首相が言ってるぐらいですから、みんなが知るべきことなんですけれども、誰も気づいてないんですけど、どういうことかというとですね、アメリカの軍が決めたことは、我々は何も言えないってことなんですよ。
これ、考えられますか。日米安保条約でさえ、そんなこと一つも書いてないんですよ。
だけども、このオスプレイはですね、もう繰り返し繰り返し報道されているように、日本政府は一切知らされないんですよ。
いつ、どこでアメリカが飛ばすかということをですね。日本政府は知らされずに、アメリカから言われて初めてそれを国民に知らせる。こんな馬鹿なことはないわけですよね。
だけどそれが、最初はそのオスプレイが来たときに危ないとかって、いろんな反対があったんですけれども。今はもう当たり前のようにですね、いたるところに飛びまくってるわけですよ。
ですから、私はやはりこのオスプレイっていうのはもう象徴的なケースで、これからどんどんどんどんアメリカのその高度な、まあ兵器といいますか、装備が日本国中を覆っていくと。
たとえば迎撃ミサイルがそうですし、その前はイージス艦がそうです。
これからもっと、高度なミサイルを買おうとしているわけですね。
そして、そのアメリカの情報装置が、つまり北朝鮮とか中東を狙ったアメリカの情報装置が、日本中にできるわけですね。
たとえば京丹後っていうところがあるんですけれども。あそこにそういう施設ができても、誰もですね、知らないんですね。住民が反対していると。だけど、国民は何も知らない。
そういうことが、非常に深く広く進行してですね。この問題は、ですから、まさに矢部さんがですね警鐘を鳴らして、それを、一人でも多くの国民が共有していく必要があると思います。
「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」刊行記念対談 天木直人✕矢部宏治
対談動画2:【論点】アメリカの既得権益と日米合同委員会について
著者:矢部宏治(やべ・こうじ)プロフィール
1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。
株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。
著書に累計17万部を突破した『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』
『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、
『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)など、
共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。
企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J.M.ロバーツ著『図説 世界の歴史』(全10巻)、
「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。
『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)
現代ビジネス「なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?知ってはいけないウラの掟」
天木直人プロフィール
元外務省職員、作家。
京都大学法学部を中退し外務省入省後、豪州日本国大使館公使、レバノン国特命全権大使などを歴任。
イラク戦争当時、ブッシュ米大統領のイラク攻撃を支持した小泉首相に反対し外務省から罷免。
現在は、高級官僚や小泉政権の腐敗ぶりを暴くなど、自由な立場から言論活動を続ける。
著書に『さらば日米同盟! 』(講談社)、『さらば外務省!』(講談社)等。
天木直人 著書
・さらば外務省! ―私は小泉首相と売国官僚を許さない (講談社)
・マンデラの南アフリカ ―アパルトヘイトに挑んだ外交官の手記 (展望社)
・外交力でアメリカを超える ―外交官がたどり着いた結論 (かもがわ出版)
・九条新党宣言 (展望社)
・怒れ、9条! ―憲法9条こそ最強の安全保障政策だ
・イラク派兵を問う (岩波書店)
・ウラ読みニッポン ―新聞ではわからないことがわかる本 (講談社)
・さらば小泉純一郎! (講談社)
・アメリカの不正義 ―レバノンから見たアラブの苦悩 (展望社)
・さらば日米同盟! 平和国家日本を目指す最強の自主防衛政策 (講談社)
・自立する国家へ! (ベスト新書)
・アマル それは希望 ―七つの愛のアンソロジー (ゆにっとNOVELS)
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