大変だ！



　北朝鮮が日本に向けてミサイルを降り注いできたからではない。



　それを日本が止めようとしないからだ。



　それどころか、米国の原子力空母を日本海に堂々と入れて北朝鮮を脅し、ますます北朝鮮にミサイルを撃たせようとしているからだ。



　北朝鮮を敵視さえしなければ、北朝鮮は日本にミサイルなど撃って来ないのに、日本の方から撃たせようと仕向けているのだ。



　そして日本の政治はそれを止めようとしない。



　なんと衆参本会議で北朝鮮をやっつけろという決議が全会一致で成立したというのだ。



　国葬と統一教会ばかりをやっていると思っていたら、そして、それをやっている限り平和な日本は続くのに、こんな危ないことまでやっているのだ。



　大変だ！



　日韓関係がいつまでたっても歴史認識で一致しないからではない。



　歴史認識問題で一歩も譲らない日本が、北朝鮮をやっつけろという話しになったら、岸田首相はあっさり尹大統領と電話会談している。



　しかも、日韓関係の改善には一言も触れずにである。



　本来なら、植民地支配の誤りや、南北分断の責任の一端を認め、朝鮮半島の融和と、そして融和した朝鮮半島と日本の友好親善を真っ先に日本外交の優先事項にしなければいけない日本であるというのに、国民に隠したままの朝鮮密約に従い、米韓同盟をそのまま日米韓同盟につなげて、みずから進んで朝鮮有事を日本有事に広げようとしている。



　そしてそれを日本の政治が許しているのだ。



　大変だ！



　プーチンによる核兵器使用がいよいよ現実のものになろうとしているからではない。



　まるでプーチンに核兵器を使わせたいかのように、ますますプーチンを悪者にして追い込もうとしているからだ。



　唯一の被爆国として、なにがあっても、どの国であっても、核兵器の使用を許さないという政治的主張の先頭に立つべき日本であるべきなのに、ロシアが核兵器を使用した場合のシナリオまで平気で語り始めている。



　大変だ！



　ついに台湾が、中国航空機が領空侵犯したら撃ち堕とすと言い出した。



　これは完全に自らを独立国であると宣言したも同然だ。



　中国が怒らないはずがない。



　その台湾に、近く日本の議員団が訪れ、蔡英文総統と台湾有事の際の邦人救出について話すと言う。



　日中国交正常化を認めた１９７２年の日中共同宣言と、それに続く１９７８年の日中平和友好条約の完全否定だ。



　ついこの間（９月２９日）日中国交正常化５０年のメッセージ交換をやったばかりではなかったか。



　そして誰も議員団の訪台を止めようとしない。



　大変だ！



　このまま行けば、日本は中国、ロシア、北朝鮮との戦争に向かってまっしぐらだ。



　このまま行けば、日本は本当に憲法９条を失う事になる。



　それどころか憲法９条の精神に反する国になる。



　大変だ！という意味はそういう事である。



　本当に大変な状況に日本は今、直面しているのでだ。



　戦後７７年たって、いま日本は最大の危機に立たされている。



　この事は、いくら強調してもし過ぎる事はない（了）