夏休みを理由に、尹韓国大統領はペロシ下院議長との面談を避けた。
もちろん、中国への配慮だ。
このことについて、髭の佐藤こと、元自衛官の佐藤正久議員がテレビの前で米国の同盟国としてあり得ない事だと息巻いていた。
もし、尹大統領が、バイデン大統領の要求を断って中国の顔色をうかがったのなら確かにそうだ。
しかし、そんな事はあり得ない。
事前にその事を外交ルートで伝えて了解を取った上での行動だ。
つまり、韓国は、中国との関係をこれ以上悪化させるわけにはいかない。
議長には議長で対応するという形にしたい。
そう外交ルートを通じてバイデン大統領に伝え、そして、バイデン大統領はそれに理解を示したに違いない。
なぜなら、バイデン大統領自身が、このタイミングでのペロシ訪台は好ましくないと思っていたからだ。
つまり、このタイミングでのペロシ訪台という、最も重大な外交・安保に関わる問題で、韓国は米国と信頼関係があるからこそ、このような意思疎通ができ、そして行動がとれたのだ。
ひるがえって日本はどうか。
林外相は、アセアン外相会議の場で、日本側から申し入れていた王毅中国外相との会談を、直前になって王毅外相からキャンセルされたと報道された。
そして、報道によれば、王毅外相はその理由をはっきりと伝えた。
中国の面子を潰す形で日本が米国の台湾政策に従属して来たからだと。
物凄い恫喝だ。
そしてこのメッセージは、きょう行われる岸田首相と蔡英文総統の会談は慎めという恫喝でもあるのだ。
もし日米同盟が米韓同盟のように信頼関係に基づいたものであれば、そしてもし日本が日中関係をこれ以上悪化させることは好ましくないと強く米国に理解を求めていれば、王毅外相による外相会談のキャンセルのなかっただろうし、ペロシ下院議長と岸田首相の会談についても、中国への配慮が示せただろう。
しかし、日本には、はじめからその選択肢はない。
困った、困ったと思いながら、米国の顔色をうかがうことに終始して来た日本には、韓国のような自主外交は出来なかったのだ。
髭の佐藤と同じように外務官僚は、米国と同盟関係にある日本の首相がペロシ下院議長に合わない選択肢はあり得ないと考え、そう岸田首相に言い聞かせていたのだ。
中国は、きょうの岸田・蔡英文会談を見て日本を憐れむだろう。
韓国にさえ及ばない自主性のなさだと。
戦後77年、日本外交破れたり、である(了)
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