「安倍土下座」銅像設置の動きについて、その後大手紙がほとんど書かない中で、きょう発売の週刊文春(8月6日号)が教えてくれた。
「こうなったら、韓国と断交だ」
首相官邸内にはそう憤激する声まで漏れたと言う。
7月夜に韓国から配信された一本の報道(京郷新聞)が、それほど日本政府を揺さぶったということだ。
しかし、この問題は、日本側が冷静に対応すればこれ以上問題がひろがることなく、従ってまた、日韓関係に「決定的」な影響を及ぼさずに封じ込められる可能性が高いと私は希望的に思う。
文春の記事によれば、8月10日に予定されていた「永遠の贖罪」像の除幕式は、ひとまず中止になったという。
韓国与党関係者も、「いくら芸術の自由があるとしても、適切とは言えない、こんなことを許せば、日本で広がる文在寅大統領をあざ笑う論調を批判できなくなる」と眉をひそめているという。
そして、この銅像は、韓国自生植物園のキム園長が、私費で彫刻家のワン氏に製作を依頼し、自らの公園に設置したらしい。
二人とも、これまで日韓関係の市民運動に携わった経歴はなく(キム園長)、過去に過激な日本批判を展開したことはない(ワン彫刻家)という。
要するに二人とも、政治的目的はないが、韓国の国民感情を率直に代弁しようとしたというのだ。
韓国内外にある少女像が非難されたり壊されたりする実態を見て贖罪の対象と責任者をはっきりさせたかった(キム園長)といい、
真心のこもった贖罪を慰安婦のおばあさんたちにすることで日本が生まれ変わることを願って製作した(ワン彫刻家)というのだ。
少女像は、韓国市民の関心を集めやすいアイコン(だから)今年6月6日にオープンしたばかりの公園が、コロナの影響で集客も簡単でない(から集客のい目的のあったのだろう)(韓国政界関係者)という。
週刊文春のこれらの記事が正しければ、日本の嫌韓・右翼とそれを代弁する嫌韓・右翼メディアがいくら騒いでも、安倍政権がそれに乗らなければ、韓国政府も韓国世論も自制的に動くに違いない。
場合によっては幻の銅像設置で終わる可能性もある。
すべては安倍政権の大人の対応にかかっているのだ。
そして私は、安倍政権はこの問題に冷静に対応するしかないと思う。
コロナ危機で身動きできない今の安倍政権にとって、日韓関係をこれ以上悪化させる愚を犯す余裕はないからだ。
安倍首相にとってはこれ以上ない屈辱的なことだが、「安倍土下座」銅像設置の動きに対しては静観するしかない。
それもこれも、安倍首相の間違った歴史認識と、その認識から出た慰安婦問題の対応のまずさが原因だ。
安倍首相は自業自得とわきまえるしかないのである。
安倍首相に果たしてそれが出来るだろうか(了)
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