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メルケル欠席で限りなく無意味になる今年のG7

 きょうの最大のニュースは、何と言ってもメルケル独首相のサミット不参加表明だ。

 独政府の報道官が明らかにしたらしい。

 メルケル氏はトランプ氏の招待に「謝意を表明している」としつつも、「現在の(新型コロナの)感染状況ではワシントンに参加することに同意できない」事を明らかにしたというのだ。

 何もかも、称賛に値するメルケル独首相の不参加表明だ。

 報道官を通じて明らかにしたところが素晴らしい。

 こんなわかりきったことを、みずから直接自分の口から言うまでもないだろう、といわんばかりだ。

 そして、わざわざ、「招待に感謝している」と前置きして断ったところが、最強のジョークだ。

 あなたを評価していない私であることは百も承知の上で、そして、招待してくれても欠席することはわかりきっているのに、よくも招待してくれましたね、と。

 まだ少しは外交礼儀を知っているのね、正気が残っているようね、そう言わんばかりだ。

 断る理由も、誰もがなっとくするものだ。

 いくら何でも、今の世界のコロナ状況を考えれば、首脳が集まれる状況ではないでしょう、ましてや米国が一番ひどいコロナ被害の状況なのに、よくもサミットを主催する余裕があるものね、と言っているのだ。

 反論できる者は一人もいないはずだ。

 極めつけは、まだ欠席を100%否定していないところだ。

 「引き続き感染の状況を見守る」と、方針を変更する可能性に含みを持たせている。

 何から何まで素晴らしいメルケル首相の対応だ。

 トランプの事だから、激怒して、ますます米国開催に固執するだろう。

 笑ってしまったのは、このメルケル首相の意向を知った日本政府関係者の次のような言葉だ。

 「欠席する首脳はいるかもしれないが、(安倍首相が)出席しない選択肢はない」(5月31日産経新聞)

 アメリカとの関係では、決まって飛び出す、いつもの思考停止のセリフだ。

 安倍首相はますます張り切っているに違いない。

 メルケル首相の欠席によって、文字通りサミット出席者の中では自分が一番出席回数の多い最長任期の首脳になれると。

 長く首相をやっていればこんな名誉なことが転がってくるのだと。

 バカバカしい安倍首相のサミット出席だ。

 それを非難する者が、野党議員の中にも、メディアの中にも、唯の一人も現れない。

 すべてが思考停止しているような、いまの日本である(了)

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