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ツキジデスの罠にはまったトランプの米国

 ひところはやった国際政治を語る言葉に、ツキジデスの罠という言葉がある。

 これは、古代アテナイの歴史家ツキジデスにちなむ言葉で、従来の覇権国家が、追い上げる新興国家に負けるわけにはいかないとなって、両者の間に戦争が不可避な状態になる危険性を言い表したことばだ。

 いま、まさしく、トランプの米国が、コロナ危機の中で、この言葉通りの言動を繰り返している。

 きょう4月30日の紙面に二つの対象的なニュースが並んでいた。

 一つは中国の全人代が5月22日から北京で開かれる事が決まったというニュースだ。

 もうひとつは米国の感染者数が100万人を突破し、米国のGDPの減少は戦後最悪に落ち込んだと言う記事だ。

 この二つのニュースは、米国と中国のコロナ危機に対する勝ち負けを端的に示していると思う。

 そして、コロナ危機の勝ち負けは、そのまま、その後に続くポストコロナ危機の米中の覇権争いにことごとく影を落としていくことになるだろう。

 米国はますますツキジデスの罠から抜け出せなくなる。

 そして、米国に勝ち目はない。

 きのうのペンス副大統領のマスクをつけない強がりを見てそう思った。

 すなわちペンス副大統領は4月28日、コロナウィルスの対応に当たる病院を視察した時、病院のルールに反してマスクを着用しなかった。

 その時の、批判に対する言いぐさがさらに驚きだ。

 自分は感染していないと分かっているから必要ないといったのだ。

 まさしく、トランプあってのペンスだ。

 科学的、合理的根拠は何もない。

 現実を見ようとしない一方的な言動だ。

 そのトランプとペンスの米国が、世界一の感染者を出しているにもかかわらず、これ以上の経済の落ち込みを恐れて、行動規制の緩和に踏み切ろうとしている。

 世界のマーケットを中国に奪われてなるかというわけだ。

 そして、それでもダメなら最後は武力行使だ。

 繰り返して警鐘を鳴らしたい。

 中国を擁護する必要はない。

 中国もまた軍事覇権国家であり、それ故に情報操作を繰り返す国だ。

 人権軽視の非民主国家である。

 しかし、この米中の覇権争いで米国の側に立ってはいけない。

 ツキジデスの罠から抜け出せない米国の戦争につき合わされることになる。

 一度で十分だ。

 日本は中国と戦うという間違いを二度と繰り返してはいけないのである(了)

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