これもまた読売新聞の特集記事についてだ。
きょう4月10日の「政治の現場 新型コロナ」の二回目の記事は、東京五輪開催延期の裏にあった安倍首相の東京五輪への執念にも似た思いについて教えてくれている。
私はあの時何度も書いた。
延長問題はあれほど大騒ぎになったのは、ひとえに安倍首相が東京五輪の中止だけは避けたいと、延期に固執したからだと。
やはり、その通りだったのだ。
中止になれば安倍首相の責任問題になる。
こう語ったのは前五輪担当相の鈴木俊一総務会長だった。
安倍首相はその発言がよほど頭に来たのだろる。
3月23日夕に開かれた自民党役員会が終った後で、安倍首相は鈴木総務会長に向かってこう告げたというのだ。
「聖火はもう日本のものだ。ギリシャには返さないよ」と。
鈴木俊一総務会長が東京都内で講演し、新型コロナウイルスの感染拡大で夏の東京五輪・パラリンピックが中止になった場合、安倍政権の政治責任が問われるとの認識を示したのは2月26日だった。
当時私はこれは物凄い発言だと書いたが、やはり安倍首相にもショックだったのだ。
そして3月に入り、コロナ危機が欧米に広がる中で世界中から東京五輪中止論が飛び交った。
中止になればすべてが水泡に帰す。
安倍首相は中止という最悪のシナリオ回避のため、延期を目指す事で腹を居くくったと言うのだ。
そして3月12日、トランプ大統領が「無観客で実施するより、1年間延長する方が良い選択肢だ」とホワイトハウスで記者団に語った。
これを聞いた安倍首相は、「渡りに船だ。この発言を使わない手はない」と飛びつき、間髪をいれず13日にトランプ大統領と電話会談したという。
笑ってしまうのは、「絶対に外に言わないでくれ」と念を押した上で、延期を目指す考えをはじめて伝え、協力を求めたというところだ。
念を押したところがいかにも生々しい。
そう言わないとトランプはすぐにばらすからだ。
安倍首相はこれまで何度も恥をかかされて来た。
そして安倍首相は3月16日のG7首脳電話会議で延期支持を取り付けた上で、3月24日、バッハ会長ととの電話会談して1年程度の延期で合意した。
3月22日にIOCは延期を含め4週間以内に結論を出すと決定したが、それでは26日に聖火リレーがスタートするには間に合わない。
そこで安倍首相は24日に急きょバッハ会長に電話し、1年程度の延期を飲ませ、合意したのだ。
物凄い執念である。
しかし、この読売の特集記事にも触れられていない事がある。
それは3月24日の合意では明確にされていなかった具体的日程が、わずか6日後のIOCと森五輪大会会長、小池東京都知事らの協議で7月23日開始と、具体的に確定した事だ。
おそらく、はやく日程を確定させないと、コロナ危機の急速な悪化で、日程が確定できなくなることを恐れたに違いない。
だから急いだのだ。
しかし、それでも読売新聞の特集記事はこう締めくくっている。
それは賭けでもある。「1年後に感染が収束せず、治療薬も開発されていなかったら、その時こそ中止だ」(閣僚経験者)と。
だからアビガンなのである。
アビガン実用化ーコロナ危機収束ー東京五輪・パラリンピック2021年7月23ー9月5日成功
ここまでは何があっても安倍首相はやり通すつもりだということである(了)
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