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「日米同盟」に代る「多国間主義同盟」という独提案

 きょう2月18日の毎日新聞オピニオン欄で、イナ・レーベル駐日独大使のインタビユー記事が掲載されていた。

 その記事で、私は初めて知った。

 ドイツのマース外相がフランスのルドリアン外相と共同で、トランプ大統領の米国一国主義との同盟最優先から、多国間主義の同盟の構築を目指すべきだと、昨年2019年4月に提案していた事を。

 そして、2019年9月に日本を含めた60カ国が参加して発足していた事を。

 こんな重要な動きがあったことを私はうかつにもまったく気づかなかった。

 独仏外相の共同提案となっているが、この構想を最初に考えついたのはメルケル政権のドイツだ。

 すでにマース外相は2018年のこの構想をまとめ、仏外相に呼びかけて、2019年4月の共同提案に持ち込んだのだ。

 毎日欠かさずに大手紙に目を通してる私が気づかなかったのも無理はない。

 新聞が報道しなかったからだ。

 新聞だけではない。

 メディアはまったくといっていいほど取り上げなかった。

 そして、その理由は明らかだ。

 日米同盟最優先の日本政府とこの国のメディアが、この提案に警戒心を抱いたからに違いない。

 もちろん、毎日新聞も日米同盟最優先だからこの構想に慎重だ。

 きょうのインタビュー記事の最後のところで、レーベル大使をインタビューした中西啓介記者は「聞いて一言」でこう書いている。

 「日本人とドイツ人は勤勉で似ているという意見をよく耳にする。だが、政治となると相違は大きい。実現性を問う日本に対し、理念を追うドイツ。それが多国間主義の同盟に対する温度差につながっていると感じる」と。

 しかし、私は、日米同盟最優先だけでは日本の国益を実現できない日が必ず来ると思っている。

 それは歴史の流れの必然である。

 そうだとしたら、この多国間主義の同盟こそ、日本が積極的に参加し、日米同盟最優先に代るものとして実現しなければいけない構想なのだ。

 日本は、いまこそ憲法9条の精神をこの多国間主義の同盟の基本理念になるように外交努力をすべきだ。

 つまり専守防衛である。

 つまり、特定の国や集団に敵対する同盟でなく、国連安保理が実現できなかった本当の意味の集団安全保障体制としての同盟づくりだ。

 もはや死に体の安倍政権では無理だが、いかなる政権が後に続こうとも、新政権は、レーベル大使が期待する日独仏が軸となる国際協調構想の実現に向けて指導力を発揮すべきである。

 日本はメルケル政権に感謝すべきである(了)

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