ここまであからさまなハメネイ体制の崩壊に突き進むトランプを見ていると、すべては周到に仕組まれた米国の策略に違いないと思えるほどだ。
スレイマニ殺害の命令も決してトランプの気まぐれではない。
あのウクライナ機誤爆さえ米国がやったのではないか。
そう思えてしまうほど、米国の情報操作は露骨だ。
危機が去ったと思ったとたん、ウクライナ機の誤爆が表面化し、イランがそれを認めざるを得ない状況に追い込まれた。
そこまではいい。
私が眉に唾をつけて見ているのが、突如として起きた、誤爆に怒ったイランの若者のハメネイ体制批判の再燃だ。
デモをメディアが報じるのはいい。
しかし、それがあたかもイランを揺るがせるごとき大げさな報道になっているところに不自然さを感じるのだ。
スレイマニ殺害に怒ったイラン人は100万人規模だった。
誤爆に怒ったイラン人は1000人規模だという。
これがどうして反体制デモなのか。
しかもである。
トランプはすかさずツイッターでつぶやいた。
デモするイラン人を殺すなと。
世界は見ている、何よりも米国は見ていると。
しかもアラビア語でつぶやいた。
トランプはいつからアラビア語ができるようになったのか。
誤爆、誤射を含め、世界中で、そして特に中東で、国境を越え、他国の主権を侵害して民間人を殺しまくってきた米国が、よくもそんな立派なことが言えるものだ。
しかし、私がここで指摘しておきたいことは、日本のメディアがそんな米国の情報操作に加担しているところだ。
その先頭に立っているのがNHKだ。
今朝のNHKの早朝ニュースを聞いて驚いた。
トップニュースが安倍首相のサウジ訪問と茂木外相の訪米だ。
しかもその報道ぶりが日本の仲介外交の喧伝である。
とんでもないフェイクニュースだ。
安倍首相も茂木外相も、米国に命じられてイラン包囲網に加担させられているのだ。
スレイマニ殺害の理由の一つとして報道されていたのは、スレイマニ司令官がサウジとイランの関係修復に動いていたという見方だ。
もしその見方が正しいなら、これこそがスレイマニ殺害の筆頭理由だ。
サウジとイランの関係が修復され、イラン包囲網が崩れては、米国の中東戦略は狂ってしまう。
だからアベ首相に命じてサウジアラビアに釘を刺させたのだ。
米国から離れたらサウジ王制もまた危なくなると。
そしてトランプは、イランに間違ったメッセージを送るなと命じるために茂木外相を呼びつけたのだ。
しかし、メディアは一切そのようなことに触れようとしない。
報道される合言葉は、米国とイランの仲介であり、国際社会へ自制を求めることだ。
これほどあからさまな情報操作はない。
おそらくトランプからの圧力は相当なものに違いない。
このままいけば、日本はイランと敵対させられることになる。
終わりのない米国とイランの戦いに巻き込まれることになる(了)
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