新春のお屠蘇気分を吹っ飛ばしたのがゴーンの逃亡劇だったと思ったら、そのゴーンの逃亡劇を吹っ飛ばしたのが1月2日の米国のバグダッド空港ミサイル攻撃だ。
この攻撃は米国のイラク攻撃ではない。
イランに対する先制攻撃なのだ。
ハメネイ師の懐刀であり、イラン革命防衛隊の英雄であるスレイマニ司令官のピンポイント殺害が目的だったのだ。
イランが復讐を宣言したのも無理はない。
私は昨年12月31日の最後のメルマガ第848号「ヒズボラ攻撃のニュースに思う」で書いた。
米国がイランに戦争を仕掛ければ、イランの指揮命令下にあるテロ組織が、中東で一斉に米国に対してゲリラ戦を挑む危険性があると。
まさかこんなに早くその時が来るとは思わなかった。
今度の米国の攻撃の深刻さは計り知れない。
だからこそ世界が懸念を表明した。
きょうの各紙が一斉に大きく報じた。
ゴーン逃亡劇の記事をすっかり吹っ飛ばした格好だ。
この米国の先制攻撃が、その後の米・イラン関係、さらには中東情勢にどのような影響を及ぼすか、それはもちろん私にはわからない。
しかし、はっきりしている事は、米国とイランが戦争状態に入ってしまったということだ。
そして、安倍首相の対イラクパフォーマンス仲介外交が見事に破たんしたということだ。
これもまた、こんなに早く破綻するとは思わなかった。
これで2月上旬に派遣されるはずの海上自衛隊艦船の「調査・研究」派遣は100%なくなった。
それは当然だろう。
戦争状態になった中東海域で、調査・研究・情報収集などというとぼけた事をやっている場合ではないからだ。
それにもかかわらず、自衛隊幹部は次のように語っているという(1月4日共同)
「現時点で派遣に大きな影響はない」と。
こんなことを言っているからゴーンに逃げられるのだ。
私は繰り返し書いて来た。
安倍首相は、内政問題はごまかせても、外交はごまかせないと。
いよいよ安倍首相は外交で自滅する年になりそうだ。
何度でも書く。
日本国民をごまかす事が出来ても、世界をごまかすことは出来ないのである(了)
Comment On Facebook