環境大臣になった小泉進次郎議員の人気が急落している。
そして今度の地球温暖化国際会議で、ますます評判を落とした形になった。
その理由は様々だが、私が見るところの最大の理由は、彼の決断力のなさだと思う。
言い換えれば、父親小泉純一郎のような、狂気に近い政治的攻撃性が彼はない。
百万人の敵に一人で挑むという覚悟が彼にはない。
そして何よりも先を読む政治的直観力(勘)が彼にはないのだ。
それを見事に証明してくれる記事をきょう12月13日の毎日新聞に見つけた。
マドリード発鈴木理之記者の書いたその記事の要旨はこうだ。
国際交渉の場で初めて公式の演説に臨んだ小泉進次郎環境相は、地球温暖化対策に対する日本の環境姿勢を打ち出すため、石炭火力発電の海外輸出制限を表明することを直前まで模索したが、官邸側との調整が難航、見送りを余儀なくされた、と。
そして、その記事は、環境官僚と小泉環境大臣が、経産省主導の官邸と折衝したがあえなく敗れた経緯を紹介している。
ある環境省幹部は、「官邸の壁は高かった」と振り返り、小泉大臣は「国内では石炭への批判が十分に理解されていない」と会議後の記者会見で、脱石炭への恨み節ともとれる言葉を漏らしたと、その記事は解説している。
これを読んだ私は、小泉進次郎の自業自得だと思った。
そして、小泉進次郎も環境官僚も情けないと思った。
環境省は閣内では力のない三流官庁であり、官僚もまた三流官僚だ。
しかし、地球温暖化対策はいまや世界最大の国際問題だ。
そして環境官僚たちは、小泉進次郎という花形政治家を自らの大臣として手に入れたのだ。
三か月後に大きな国際会議を控えていたことは百も承知のはずだった。
なぜ小泉大臣を使って目玉政策をつくり、実現しようとしなかったのだろうか。
小泉大臣はなぜ環境官僚らと二人三脚になって、それをつくり、安倍首相を説得して実現しようとしなかったのだろうか。
出来たはずだ。
決して大胆な政策変更を求めなくてもよかった。
具体的な数字を示し、少しでもこれまでと違った政策を示すパフォーマンスを国際会議ですればよかっただけなのだ。
さすがは小泉進次郎だと思わせる政策をでっちあげればよかったのだ。
そして、進次郎は安倍首相に対して、私の将来を潰さないためにも、自民党の将来を潰さないためにも、これぐらいのごまかしを首相決断で認めてほしい、そしてそれは安倍政権の浮揚のためでもある、ごまかしは安倍首相のお得意芸のはずだ、それが出来ないなら環境大臣を辞めさせてほしい、と、そう説得すべきだったのだ。
繰り返して言う。
具体的中身は環境官僚の考える仕事だ。
いますぐ日本の経済界に痛みを迫るものでなくても、国際会議で、日本も踏み込んだか、と思わせるごまかしはいくらでも考えられたはずだ。
なぜ、小泉進次郎は、一方において環境官僚をその気にさせ、他方において安倍首相と官邸官僚を味方につけることができなかったのか。
三カ月もあったというのに。
やはり小泉進次郎は甘ちゃんだ。
よく言えば甘やかされて育った二世議員のボンボンであり、悪く言えば世襲の強みを生かしきれない無能者だ。
そういえば、あの石破氏への支持の時もそうだ。
最後まで反安倍を貫いて石破氏を支援していたら、今頃は自民党を根こそぎ引き連れて小泉・石破政権に向かってまっしぐらだったはずだ。
冷徹さにおいても、攻撃性についても、そして何よりも政治的勘において、進次郎は父親純一郎を超えられない、いや足元にも及ばないということだ。
はたして小泉進次郎はこの私の叱咤を知って発奮するだろうか(了)
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