どうやら安倍一強は終わることになりそうだ。
野党による政権交代が起きるのか。
そうではない。
「安倍4選なし」が決定的になり、ポスト安倍競争が加速することになる。
政局メディアはすでにそのモードに移りつつある。
ポスト安倍は誰か。
菅官房長官ではない。
メディアは安倍首相と菅官房長官との間に争いが始まったと書き立てているが、そうではない。
もともと菅官房長官は自ら首相になる気などなかったし、いまはもっとない。
今度の閣僚辞任で安倍首相に貸しを作った菅官房長官は、安倍政権の任期満了に向けて、ますます安倍首相を支えるだろう。
そしてポスト安倍に向かって影響力を発揮するため(いや自らを否定されないため)、ますます安倍首相と一体となる。
安倍・菅コンビが後継に考えているのは岸田だ。
岸田もそれを知っているからこそ、改憲論議に熱心になって来た。
それに釘を刺すかのように古賀誠が、「憲法九条は世界遺産」という本を主版して、宏池会の伝統を引き継げ、と岸田に訴えている。
しかし岸田は言う事を聞かないだろう。
何としても安倍・菅の支援を受けて総理になりたいからだ。
そして、いまのところ岸田に代わるポスト安倍はいない。
唯一可能性があるのが石破茂だ。
しかし、いまのままでは石破に勝ち目はない。
いまのままでは自民党内の支持が広がらないからだ。
そして安倍首相は石破茂にだけは絶対に後継者にさせたくないからだ。
どうしたら石破に勝機がくるのか。
それは、安倍首相が固執し、そして岸田氏が引き継ごうとしている、自衛隊明記の憲法9条改憲は、自民党が戦後一貫して求めて来た9条改憲ではない、自衛隊を軍隊にして自主防衛を可能にする憲法9条のフルスペック改憲こそ王道だと、持論を展開して安倍首相と対峙する事だ。
その上で、いまは国民がそれを望んでいない、内外の情勢は憲法9条の改憲を急ぐ時ではない、次期首相は国民生活を守ることを最優先すべきだ、自分の任期中は憲法9条改憲は行わない、と言って、憲法9条改憲を封印する事だ。
出来れば、田中角栄の衣鉢を引きついで米国一辺倒から中国、韓国との関係改善に舵を切ることだ。
そんな石破に野党は文句は言えない。
一緒にやりたければ連立政権に入らないかと野党に声をかければいい。
果たして石破氏にその戦略が見えているのだろうか(了)
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