今年も概算要求の季節がやってきた。
社会保障費が減る一方で防衛予算が増える。
これがこの国の政治の現実である。
そして、当然のようにきょうの各紙が報じた。
各紙の中でも読売が一面で大きく取り上げた。
防衛省は、護衛艦「いずも」の空母化にともなって、最新鋭ステルス戦闘機「F35B」を来年度の予算案に計上することを決めたと。
1機当たり約140億円、6機で800億円を超える見込みだと。
最終的には42機態勢を目指すと。
そして読売新聞は書いた。
防衛省は、来年度の概算要求で過去最大の5兆3000億円超を要求すると。
私がこの読売の記事で注目したのは次のくだりだ。
すなわち、「防衛省は、こうした最新兵器の導入・改修などで、防衛費の総額として過去最大の5兆3000億円超(米軍再編費を除く)を要求する」と書いた後で、こう続けている。
「防衛予算は、19年度の当初予算が7年連続増の5兆2574億円(米軍再編費を含む)で過去最大だった」と。
つまり、来年度(20年度)は8年連続で過去最高を更新するというわけだ。
しかもである。
19年度の防衛予算5兆2574兆円には、米軍再編費が含まれていると書かれているのに、20年度予算案にはそれを除くと書いている。
なぜこんなごまかしをするのか。
おそらく、少しでも増額を少なく見せたいからに違いない。
19年度の米軍再編費は、思いやり予算の約2000億円を入れると、約4000億円超であるから、これを足せば来年度の防衛予算はさらに膨らみ、6兆円近くになる。
これでは反発を受けるから、少しでも少なく見せたいのだ。
しかし、本当の理由はそれではない。
トランプ大統領は在日米軍経費の大幅アップを繰り返し言い出している。
最終的にトランプ大統領がどこまで要求して来るかわからないのだ。
今の時点では予想できないのだ。
だから概算要求に書き込めないだけだ。
来年度の防衛予算は、5兆3000億円どころの話ではないのである。
間違いなく来年度の防衛予算は史上最大の防衛予算になる。
そして、いまの野党には、それを止める意思も政治力もない。
日本と言う国は、すべて日米安保の手のひらの上で踊らされているのである(了)
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