いったんは籾井会長とともに専務理事を退いた板野裕爾氏が再び専務理事に返り咲くという人事を最初にスクープ報道したのは4月9日の毎日新聞だった。
それを読んだ私は同じ日のメルマガ第272号「国民を舐め切ったNHKの専務理事人事」で批判した。
その後週刊誌などで批判記事が相次いだが、予定通り板野氏は4月25日に専務理事に発令された。
そして誰もがそのことについて忘れかけていた。
ところがNHKの上田良一会長自らがきのう5月9日の定例記者会見で寝た子を覚ましてくれた。
そのことをきょう5月10日に東京新聞が小さく報じて教えてくれた。
すなわち、記者から、官邸に太いパイプがあるといわれる板野氏を専務理事に復帰させたことについて聞かれて、こう答えたというのだ。
「適材適所を貫いて、私自らの判断で決めた」のだと。
つまり官邸からの指示はなかった、自分が一存で決めたというのだ。
これ以上ない忖度人事だったことを自ら認めている。
上田会長はとんでもない忖度野郎だったということだ。
そして、続けてこう開き直っている。
「そういったこと(懸念する声が多い事や人事の議決の際に経営委員12人のうち2人が棄権したこと)もしっかり踏まえて、放送の自主自立を堅持し、番組編成の自由を守る事を頭に刻んでリーダーシップを発揮しながら国民の期待にしっかり応えたい」と。
よくもここまでとぼけられるものだ。
NHK随一の忖度記者である岩田明子氏の重用ぶりは、ますます露骨になっているではないか。
NHKの受信料支払いを拒否しようと叫ぶシングルイシュー政党が当選者を増やすのも無理はない(了)
Comment On Facebook