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いまこそ司法取引制度の是非について国民的議論が必要だ

 きょう5月10日の毎日新聞が、ゴーン疑惑を内部通報した日産の二人の幹部が不起訴になったことをスクープ報道した。

 関係者の取材で明らかになったという。

 その理由は司法取引制度によって東京地検と取引したからだという。

 この二人の幹部とは、一人は日産の外国人の専務執行役員であり。もうひとりは日本人の秘書室元幹部だという。

 これら二人の幹部は金融商品取引法違反事件でゴーン前会長とともに関与が疑われる立場にあったが、特捜部と起訴見送りの合意をしていたためら不起訴になったのだという。

 ゴーン事件のこれまでの報道の中でも、この司法取引の話は書かれて来た。

 しかし、不起訴になると確定したいたわけではない。

 しかし、きょうの毎日の記事で、文字通り不起訴になったのだ。

 こんなバカな制度があるだろうか。

 いつのまに日本の司法制度は、こんなバカな制度を導入したのか。

 結論から言えば「刑事訴訟法等の一部を改正する法律」によって、昨2018年の6月から施行された制度らしい。

 しかし、国民に十分知らした上で導入された制度ではない。

 成立した時ですらメディアは十分に知らせなかった。

 なぜか。

 それはこの制度が、被疑者のためであるというより、特捜部が重要な供述を得やすくする為の制度として導入されたものだからである。

 告発が刑罰の軽減につながる程度のものならまだ許せる。

 しかし不起訴まで認めるようになればあまりにも不公平だ。

 しかも、その判断はもっぱら検察が握っている。

 こんなことを制度化して公然と認めるなら、密告者が続出し、検察の権限が強大になるばかりだ。

 今度のゴーン事件でも、同じ被疑者でありながら、ゴーン被告と密告者の取り扱いがあまりにも不公平だ。

 司法取引制度は、ゴーン事件をきっかけに、徹底的に公開の議論を重ね、国民の納得がいく形で制度化されないといけない。

 メディアは、最高裁に忖度することなく、我々の知らない間に導入された司法取引の是非について、国民的論議が起きるようになければいけない(了)

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