いまの日本国民の大多数は、北朝鮮のミサイル攻撃こそ日本の一番の脅威であると考ているに違いない。
ところがそうではない。
日本にとって真の脅威は米中の軍事覇権争いである。
こう主張するのがきょう4月7日の朝日新聞である。
すなわち、朝日は今朝の一面トップで、米中間の核ミサイル攻防に関する特集記事を大きく掲載した。
その第一回目に当たるきょうの記事は衝撃的だ。
中国は敦煌の西方約100キロのゴビ砂漠に3隻の軍艦を形どった核ミサイル実験場をつくり訓練をくり返しているという。
その実験場は、さながら横須賀の米海軍基地とそっくりだという。
賢明な読者なら朝日が言わんとしている事は、もうお分かりだろう。
つまり米中もし戦えば、真っ先に中国が標的にするのは日本の米軍基地だということだ。
米国がINF(中距離核戦力)全廃条約から離脱したのは、ロシアがそれに違反しているからではない。
中国の中距離核戦力の増強に備えるため、INFから離脱して中距離核ミサイルに対抗する中距離核ミサイルを増強しなければならないからだ。
そして朝日のその記事はこう書いてる。
米国は中国ののど元に攻撃兵器を突きつければ、大きな抑止力になると考えていると。
問題は配備先だと。
そして米関係者は次のように語っていると。
つまり、台湾への配備は中国との間でリスクが大きすぎる。
グアムでは遠すぎる。
日本が地理的に最適だ。
などと語っているというのだ。
そして日本政府は、配備についてまだ正式な要請を受けていないが、打診されれば難しい選択を迫られる(防衛省幹部)と書いている。
まさしく、我が国のこれからの外交・安保政策の最大の問題は、米中対立が軍事的衝突の危険に向かった時、どう対応するかに尽きる。
そして間違いなくいまの日本は、安倍政権はもとより、いかなる政党、政治家も答えを持ち合わせていない。
もちろん朝日のその記事も答えはない。
日米同盟を最優先する一方で中国との関係も重視する朝日こそ、答えが出せないのだ。
「令和」の時代の日本の外交・安保政策の最大の課題は、米中にロシアを含めた軍事覇権国とどう向き合うかだ。
「令和」新時代こそ、間違いなく新党憲法9条が必要とされる時代なのである。
憲法9条より日米同盟を重視する朝日の特集記事が、皮肉にもその事を教えてくれたのである(了)
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