きょうの各紙が一斉に書いた。
政府は4月2日の閣議でシナイ半島多国籍監視団(MFO)の司令部要員として自衛官二人の派遣を決めたと。
これは、数ある安倍政権の憲法9条違の政策の中でも、おそらく平成最後の憲法9条違反政策になるだろう。
それだけではない。
間違いなく令和最初の憲法9条違反政策になる。
なぜなら、派遣が始まるのは4月19日であるが、令和に入っても11月30日まで続くからだ。
この自衛官派遣のどここが憲法9条違反か。
それは、国連軍への派遣ではなく、多国籍軍への派遣であるからだ。
なぜ多国籍軍への自衛隊派遣が違憲なのか。
それは、憲法9条を持たず、軍隊の保有と軍隊による戦争を容認する国々と一緒になって軍事行動をすることになるからだ。
参加国も、指揮命令も、紛争地も、紛争内容も、ケースバイケースで検討して派遣の是非が決められるべきなのに、今回はまったく議論なく、安倍政権に白紙委任を許した。
なぜか。
それは安保法が強行採決されたからだ。
その時点で白紙委任されたのだ。
なぜそんなことになったのか。
我々は安保法の深刻さを十分知らされなかったからだ。
あの時、安保法案のひとつひとつを個別に審議することなく、10把ひとからげで強行採決されたからだ。
新元号発表の大騒ぎの陰で、こんな深刻な憲法9条違反の自衛隊派遣シナイ半島派遣があっさり閣議決定され、野党が何も声を上げられなくなった。
これは象徴的だ。
令和新時代は、憲法9条無視の防衛政策が一気に進む時代になるだろう。
令和に浮かれている場合ではない。
令和の名前がいいか、悪いかなど関係ない。
外交・安保政策に限って言えば、令和の時代は間違いなく平成時代より悪くなる。
いま我々が議論すべきことは、それでいいのかと言う事である。
日本の外交・安全保障政策の議論こそ、令和のはじめに政治がなすべき最大の議論である(了)
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