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新元号発表が遅れた「空白の11分」をメディアは徹底検証せよ

 4月1日の菅官房長官による新元号発表は、午前11時30分に行われる予定だった。

 そのことはメディアもこぞって事前に公表しており、だからこそ国民は一斉にその瞬間をテレビの前で固唾を飲んで待っていた。

 ところが、いつまでたっても菅官房長官が現れなかった。

 やがてテレビに皇居に向かう車が映し出され、NHKが、新元号決定の政令が閣議決定されたので、その政令に天皇陛下の署名が必要であるからそれをもらいに向かったのだ、天皇の署名を待って発表される、そこまで憲法を遵守した配慮がなされているのだ、などと説明した。

 私もそいう事かと思って、それほど憲法を遵守するなら、なぜ憲法9条を遵守しないのかと、安倍首相のダブルスタンダードを皮肉った。

 ところがである。

 きょう4月3日の朝日新聞を見て驚いた。

 あの「空白の11分」は、「天皇が時をも支配する」という保守派の主張に配慮したセレモニーの為だったというのだ。

 すなわち朝日はこう書いている。

 「・・・政府関係者によると、臨時閣議の前に行った全閣僚会議で、新元号に対する意見が相次いだために、日程は当初予定より遅れていたという。そうしたなか菅氏は閣議決定のあと、天皇陛下と皇太子さまに新元号が伝えられるのを待っていた。
 まず、閣議終了後の11時26分、宮内庁長官室の電話が鳴った。杉田和博官房副長官が宮内庁の山本信一郎長官に・・・陛下と皇太子にお伝え願いたいと伝えた。山本長官は、皇太子さまのいる東宮御所で控えている西村康彦次長に電話連絡。その後、山本長官から天皇陛下へ、西村次長から新天皇に即位する皇太子さまへ・・・対面で伝えられ、11時40分までに山本長官と西村次長は杉田っ副長官に伝達(を終えた)の事実を電話で報告。菅氏はその1分後に、記者会見場で令和と墨書した額を掲げた・・・」

 そんな事をやっていたのだ。

 しかもである。

 朝日はこう続けている。

 「・・・国民に発表する前に、天皇陛下と皇太子さまに新元号を伝えなければいけない(という)綿密なシミュレーションに沿った運びだった。元号は、天皇が時をも支配する事を象徴した『天皇の元号』。保守派にはこうした主張が強く残っている・・・保守層から強い支持を受ける安倍政権にとって、一連の手続きで天皇に対する配慮は欠く事の出来ないものだった・・・」

 何のことはない。

 日本会議に配慮しただけの話だ。

 署名をもらいに行ったというのは誤報だったのだ。

 憲法遵守どころか、国民主権に真っ向から反する憲法違反の所業だったのだ。

 はたして、この朝日の大スクープは事実なのか。

 それともNHKの解説が正しかったのか。

 メディアは徹底的に検証して真実を国民に知らせる義務がある。

 もし朝日の記事が本当なら、これは国民主権の新憲法を追いやったと言う意味で、れっきとしたクーデターだ。

 それだけで即刻、内閣総辞職ものである(了)

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