きょう3月22日の朝日新聞が「神器」の継承に関する次のような文章で始まる解説記事を掲載していた。
「天皇の代替わりが近づいて来た。それに伴う儀式の中に『神器(じんぎ)』の引継ぎもある。しかし、考えてみれば、特定のモノが重要性を帯びるのは不思議な話だ。なぜ『神器』は生まれたのか。どんな役割を果たして来たのか。時代の節目に立ち止まって考える・・・」
その後に、次のような事が書き続けられていた。
政府は宗教色のない「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」と説明する。ただ、明治時代に制定された旧皇室典範では、皇祖皇宗から伝わる「祖宗ノ神器」と明言し、宗教色を隠していなかった。
それにしても、例えば剣は本来、人を殺傷する武器だ。それがなぜ・・・8世紀の古事記には、武神が初代天皇とされる神武天皇に布都御魂(ふつみたま)という名の刀を与えたとの記述がある。この刀は神そのものとして奈良県の石上(いしのかみ)神宮にまつられた。同じ古事記の天孫降臨の場面では、剣とともに勾玉、鏡が登場する。いわゆる三種の神器だ。このうち鏡については天照大神(あまてらすおおみかみ)が「我が御魂として」祀るよう伝えている・・・
歴代の天皇に引き継がれてきた神器だが、その重みは先の大戦の末期に格段に増した。当時の内大臣・木戸幸一は1945年7月25日の日記に「三種の神器を失えば皇室も国体も護持し得ざることとなるべし」と記している・・・
「天皇の正統性を、血統に加えて形で示すのが神器。その継承が万世一系というつながりを想像可能にする。昭和天皇自身も、そう感じていたのではないだろうか」(東京大学山口輝臣准教授(日本近代史))
そして磯村記者はこの解説記事を次のように締めくくっている。
山口さん(准教授)はこう話す。「昭和天皇は戦時に『天皇とは何か』と必死に考えた。その遺産を今の天皇は受け継ぎ、同じ問いを自らに向けられたはず。その答えの一つが、神器と関係のある宮中祭祀だったかもしれない」
この記事を何度繰り返し読んでも、私はこの記事が何を言おうとしているのか、わからなかった。
わかったのは、この記事が、政治面ではなく、文化・文芸面に掲載されていたということだけだ。
だから、この解説記事は、政治的な観点から書かれた記事ではなく、あくまでも、日本人としての教養の為に書かれたのだろうというということだけであった(了)
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