私が、今度の米朝交渉は、「決裂」ではなく、トランプの都合による一方的な「中断」だ、と考える、もう一つの象徴的な証拠がある。
それはきょう3月1日の朝日新聞が小さく書いていた、ハノイ発鈴木暁子記者の、金正恩委員長はベトナム公式訪問を続けているという記事である。
その記事はこう書かれている。
ベトナム政府は(2月)28日、金正恩朝鮮労働党委員長が、3月1日、2日をベトナムへの公式訪問にあてると発表したと。
グエン・フー・チョン共産党書記長兼国家主席による歓迎式典や首脳会談、ホー・チ・ミン初代国家主席の遺体が安置されている廟と戦没者慰霊碑への献花、グエン・スアン・フック首相らとの面会が予定されている、と。
この余裕はどうだ。
もし決裂なら意気消沈して平壌に飛んで帰っているはずだ。
金正恩はトランプがもはや北朝鮮を攻撃してこない事を知っているのだ。
交渉決裂ではなくトランプの都合による一方的な交渉中断なのだ。
だから時間がかかってでも、交渉は進むと思っている。
仮に米国が制裁を解除しなくても、中ロ韓によって、制裁はなし崩し的に緩和されていくことを知っているのだ。
トランプよりも金正恩のほうがはるかに外交上手であるということである。
それにしても、わが安倍首相の無様な姿はなんだ。
わざわざ記者会見で強がりを繰り返した。
拉致問題を取り上げてもらったと。
トランプが妥協しなくてよかったと。
もしこれが本当なら、笑顔で記者会見に応じてもおかしくない。
しかし、その表情はお通夜のごとくだ。
成功していたら取り残された。
しかし不成功に終わればますます日本の出番はなくなる。
拉致問題は絶望的になる。
どっちに転んでも日本にとって何ひとついい事は無い。
最初のボタンをかけ間違ったことから来る、打つ手の無い安倍外交である(了)
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