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共産党の天皇在位30年式典欠席が教えてくれること

 2月24日の天皇在位30年式典が近づくというに、相変わらず、それに関する記事がまったく見られないままだ。

 政府広報の新聞広告も、私が知る限りでは東京新聞と日経新聞が掲載しただけで終わっている。

 そう思っていたら、きょう2月21日の一部の新聞が、一段の小さな記事で、共産党が在位30年式典を欠席すると報じた。

 すなわち、穀田恵二国対委員長が20日の記者会見で、「いまの政府には天皇の政治的利用の動きがあると感じざるを得ない」と言って欠席を表明したのだ。

 これはビッグニュースだ。

 この共産党の欠席発言によって、否が応でもメディアは天皇在位30年記念式典の事を書かざるを得なくなる。

 天皇在位30年式典を安倍政権が閣議決定した背景に、どのような安倍首相の思惑があったかのか。

 その事について書かざるを得なくなったのだ。

 そして各紙が書けば書くほど、今このタイミングで式典を開くことの適否がクローズアップされてくる。

 そして、共産党の式典欠席発表には、もうひとつの意味がある。

 それは共産党が元の共産党に戻ろうとしているのではないか、」ということだ。

 共産党は「清水の舞台から飛び降りる」覚悟で、野党共闘による連立政権を目指す事に舵を切った。

 だからこそ、安保を封印し、それまで欠席していた国会の開会式に出席して、天皇制反対の方針を棚上げした。

 しかし、今度の欠席によって、再び天皇制の政治利用の危うさを指摘し、他の野党と一線を画した。

 これは野党共闘に見切りをつけた事でもある。

 つまり主義主張を捨ててまで野党共闘を優先すれば、共産党にとっても自滅するおそれがある事に危惧を抱き始めたということだ。

 それほどいまの野党はうまく行っていないということだ。

 いまのままでは野党共闘が政権を取る事はない。

 ならば主義主張を封印し、自らの議席を減らしてまで野党共闘を優先する価値はない。

 そう判断したということだ。

 今後の野党共闘から目が離せない(了)

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