韓国の文喜相国会議長が天皇謝罪要求発言をしたと言う第一報が流された時、私は書いた。
これは本来なら大問題になる発言だが、日韓関係をこれ以上悪化させることは得策ではにないと思い始めた安倍首相は、対応を抑制するだろうと。
そして、そのようになりつつあった。
ところがである。
発言をした張本人の文喜相国会議長が、驚くほど強硬な態度を見せた。
これはさすがの私も意外だった。
撤回を拒否したのにも驚いたが、なぜ大きな問題になるのか、安倍首相が出て来て騒ぎ出すのは到底理解しがたい、とまで言ったのだ。
名指しをされて批判することに最も怒る安倍首相だ。
内心、怒り狂っただろう。
そして今上天皇を戦犯の子呼ばわりした発言には、さすがの日本国民も反発するだろう。
私も不快に思った。
しかし、それでも私はこの韓国国会議長の発言が、日韓関係を決裂させるまでには至らず、収束に向けた動きにならざるを得ないと思う。
なぜか。
それは韓国国会議長の発言が、その表現はともかくとして、歴史認識として正しいからだ。
韓国を植民地化し、人権を蹂躙した歴史的事実がある限り、それを行った側は反論できないのだ。
本来ならば日本の中からその言葉が出て来なくていけなかった。
しかしそれはタブーだった。
そう思っていても言えなかったし、今でも公然とは言えない。
しかし韓国側にタブーはない。
まさしく文喜相国会議長にはそういう発言ができるのだ。
そう発言できる資格があって自制はできる。
一度言えばわかると封印は出来たはずだ。
私もそう願っていた。
しかし、撤回しない、大騒ぎする日本の方が悪いと、本当の意味で本音を言ってしまったのだ。
しかもただの韓国人ではない。
国会議長がそう開き直ったのだ。
行く着くところまで行ったのだ。
しかし もしここで安倍政権が本気で反論すれば日韓関係は崩壊し、安倍政権の命取りになる。
だから安倍首相は、「謝罪と撤回を求める」と国民の手前怒って見せるが、それ以上の手を打てないし、打つつもりはない。
それを知っているからこそメディアも本気で韓国国会議長の発言を糾弾しようとしない。
ひとり産経だけが厳しいが、産経がいくら厳しくても、産経だから、で終わってしまう。
つまり産経がガス抜きの役割を演じているのだ。
かくてこの問題は、お互いに不満を残しながら落としどころを見つけるしかない。
すべては間違った歴史認識を振りかざした安倍首相の責任である。
問題を解決すべき立場の首相が、問題を次々作り出している。
間違いなく安倍首相は戦後最悪の首相である(了)
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