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佐川らを「不起訴相当」にした検察審査会の正体を追え

 今度は朝日新聞の一段の小さな記事だ。

 小さな記事の中にこそ重要な問題が隠されている。

 この記事もその好例だ。

 森友学園疑惑の隠ぺいのために公文書を改ざんした疑いで告訴されていた佐川元理財局長(当時)らが、東京地検によって不起訴になったのは昨年の8月だった。

 それを不服として一般国民が検察審査会に審査を求めていた事は報道で知っていた。

 ところがその検察審査会までもが、「不起訴相当」の議決をしていたというのだ。

 その議決は1月11付で出されていたらしい。

 それを知った朝日新聞が、きょう1月26日になって、一段の小さな記事でスクープ報道した。

 小さなスクープ記事であるが、その意味は極めて深刻だ。
 
 1月11日に不起訴相当とした、この検察審査会の決議の適否については、いまこそ徹底的に追及されなければいけない。

 検察審査会で思い出すのが小沢事件だ。

 あの時東京地検は嫌疑不十分で不起訴処分にした。

 それを不服とした正体不明の一般国民が検察審査会に訴え、最後は検察審査会の二度にわたる議決によって小沢一郎は「強制起訴」された。

 裁判では無罪になったとはいえ、小沢の政治生命はそこで断たれた。

 ここまで検察審査会が権力を持つようになったのは、司法の民主化という触れ込みで行われた司法改革の結果だった。

 ところが小沢事件以降、正義の味方の検察審査会の活動はまったく表にでてこなくなった。

 まるで小沢つぶしの為に行われたような司法改革であり、検察審査会の権限強化だった。

 その検察審査会が、今度は安倍政権の守護神であるかのように真逆の議決をしていたのだ。

 すなわちいまでも国民の7割以上が納得していない森友学園疑惑について、そしてその疑惑隠しの為に改ざんした事が誰の目にも明らかだというのに、検察審査会は、強制起訴どころか、不起訴相当という議決をしていたというのだ。

 それほど不可解な議決を検察審査会がしていたと言うのに、メディアは大きく報じるどころか、隠していたのだ。

 それを知ってスクープ報道した朝日も、一面トップで報じる事なく、一段の小さな記事でお茶を濁している。

 野党も決して追及しようとしない。

 みな警察、検察、裁判所を恐れるからだ。

 この国の司法は崩壊している。

 権力者に屈している。

 その事を教えてくれた朝日の一段の小さな記事である(了)

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