年末年始にかけて、朝日の紙面に昭和天皇の過去の言動に関する好意的なスクープ記事が目につく。
今上天皇ではない。
その父上である昭和天皇についての好意的な言動だ。
その意図は何か。
ズバリ昭和天皇の戦争責任追及を消し去るためだ。
その為に、わざと好意的な記録ばかりをスクープ報道している。
きょう1月7日は一面トップで昭和天皇が自ら和歌を推敲した形跡が見つかったという記事を、まるで大発見であるかのように報じている。
それがどうしたというのか。
いうまでもなく、平成の時代は、今上天皇が象徴天皇として平和な日本の実現に渾身の努力をされた時代だ。
それはそのまま父上である昭和天皇の負の遺産を償うためだ。
言い換えれば、昭和天皇の負の遺産を引き継いで出来た戦後の日本の矛盾した国の在り方を、正常に戻そうとする努力だ。
つまり、戦後の日本は、昭和天皇の戦争責任を問わない代わりに、二度と軍国主義の復活を許さない懲罰的な完全武装解除である憲法9条を受け入れ、そしてその代りに在日米軍を日本全土に受け入れて日本の共産化を防ぐ、この三つの矛盾した方針で成立し、国民の知らないままに今日に至っている。
そしてその矛盾は日米軍事同盟が憲法9条や象徴天皇よりも圧倒的に上位にある形で拡大して来た。
その戦後の日本の在り方を正しいものにしようとする努力である。
正しくするとは、すなわち、憲法9条を最優先し、象徴天皇もまた憲法9条を順守しなければいけない存在である事を身をもって国民に知らせ、そして在日米軍を憲法9条の許容する範囲にとどめようとすることだ。
日米同盟を最優先する朝日新聞社は、その矛盾を国民に知らせたくないのだ。
今上天皇の退位とともに。昭和天皇の戦争責任もまた不問のまま終わらせようとしているのだ。
そのための印象操作としてのスクープ報道の連続である。
意図的な情報操作だ。
あらためて私は強調しておきたい。
戦後の日本の歴史を正しく国民が知るようになるまでは、憲法9条は一字一句変えてはいけない。
憲法9条と昭和天皇の免責と日米安保条約体制の成立過程を皆が知るようになるまで、憲法9条は変えてはいけない。
安倍首相がやろうとしていることは、その中身はどうであれ、新しい憲法9条を自らの手でつくりだすことだ。
それは、とりもなおさず、過去の歴史を葬り去る事である。
それだけは許してはいけない。
新党憲法9条が訴えようとしている事はまさしくその事である(了)
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