きょう1月5日の東京新聞が一面で大きく報じた。
中西宏明経団連会長(日立製作所会長)が年初に際しての報道各社とのインタビューで今後の原発政策について次のように語ったと。
「東日本大震災から八年がたとうとしているが、東日本の原発は再稼働していない。国民が反対するものはつくれない。全員が反対するものをエネルギー業者や日立といったベンダー(設備納入業者)が無理につくることはできない」と。
これは、今年はじめて目にする大きな政治的発言だ。
安倍政権と足並みをそろえて原発再稼働を進めて来た経団連会長の発言としては衝撃的な発言だ。
いくら日立が英国との交渉に行き詰まり、経産省の政策に沿って大損失を被った東芝の二の舞になりかねないと気づいたとしても、それだけで発せられた発言ではないだろう。
経済合理性が失われているという財界人の発言にとどまらない。
「国民の同意が得られない政策を強行する事は間違いだ」という政治的発言と受け取るべきだ。
すなわち安倍首相に対する勇気ある発言なのだ。
だからこそ、報道各社の前で語った発言にもかかわらず、東京新聞だけしか掲載しないのだ。
バカの一つ覚えのように脱原発をくり返していまだに自分を売り込もうとしている小泉元首相の無責任さと大違いだ。
政府との関係を重視しながら、言うべき事は言う、それは政府批判を繰り返す米倉弘昌前々経団連会長とも、安倍べったりの榊原定征前会長とも異なる、本来の経団連会長のあるべき姿だ。
そう褒め殺しておきたい。
褒めてダメにするという本来の意味ではなく、褒めてそうさせたいという意味である(了)
Comment On Facebook