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「馬毛島買収年内合意」という毎日新聞スクープ記事の衝撃

 きょう11月29日の毎日新聞が一面トップでスクープ報道した。

 すなわち、鹿児島の無人島である馬毛島の買収をめぐって、政府と地権者の交渉が年内にもまとまる見通しになったと。

 これにより、米空母艦載機の離着陸訓練の移転が行われる見通しになったと。

 いうまでもなく米軍機の離着陸訓練は、周辺住民に多大の負担を強いて来た。

 しかし米軍はその訓練を止めようとはしない。

 そして安倍政権は、米軍に訓練自制を求めるどころか、国民の血税を大盤振る舞いしてもなお、新たな訓練場を米国に提供しようとしているのだ。

 これもまた安倍政権の度し難い対米従属政策のあらわれだ。

 いつもの私なら、この毎日新聞のスクープ報道を見てそう書くところだ。

 しかし、今度ばかりは違う。

 その毎日新聞の記事は次のように教えてくれている。

 すなわち、「・・・日米の外務・防衛担当閣僚による安保協議委員会(いわゆる2プラス2)は旧民主党政権時代の2011年6月に陸上離着陸訓練の移転候補地として馬毛島にすることを共同文書に明記した・・・」

 つまり民主党政権の時も対米従属の政策は変わらなかったということだ。

 いや、変わらなかったと決めつけるのは間違いだろう。

 自民党政権の時のような対米従属一辺倒の外交・安保政策を民主党は政権を取った時は変えようとした。

 しかし厚い壁にぶち当たり、最後は腰砕けに終わったのだ。

 たとえば岡田外相の時、日米密約の存在を国民の前に明らかにすると言っておきながら、最後は広義の密約、狭義の密約、などという訳の分からない言葉でごまかし、中途半端な形で幕引きしてしまった。

 民主党政権の最初の総理であった安倍首相は、普天間基地の代替施設の建設は、最低でも沖縄県外だと言って沖縄を喜ばせておきながら、あっさりと私が間違っていたと言って、辺野古が唯一の移転先だと認めて辞任した。

 これでは政権が替わっても日米同盟優先の外交・安保政策は何も変わらない、変えるべきではない、と言っているようなものだ。

 日米同盟は最優先だと公言する自民党よりも、やろうとして出来なかった民主党のほうが、日本は対米従属から抜け出すことを決定づける意味で、よりたちが悪いのだ。

 毎日新聞のスクープ記事が教えてくれた事。

 それは政権交代が起きても、その対米従属策は何も変わらないという、この国の絶望的な救い難さである(了)

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