本物の国民的な護憲政党がいまこそ必要な時だ。
これは私が繰り返して唱えてきた主張だ。
きょうの読売新聞の記事を見てその思いは危機感をともなった確信に
なった。
「本物の護憲」という意味は、単に憲法9条を変えてはいけないと唱
えるだけではなく、日米安保に代わって憲法9条を日本の外交・安保政
策にしなければいけないと、堂々と唱える事ができるという意味である。
「国民的な」という意味は、数の上で多数だという事ではない。
政権を取れるだけの勢力になると言う意味ではない。
たとえいまは少数であっても、ましてや政権をとれなくても、護憲を
左翼イデオロギーの専売特許にするのではなく、右も左も関係なく、い
や、政治に関心の薄い無党派すらも包摂した、とにかく、軍事力で紛争
を解決してはいけないという思いを強く持つ国民の政党である、と言う
意味だ。
なぜ私がきょうの読売新聞の記事を読んでそういう危機感を抱いたか。
一面に大きく掲げられた読売のその記事は、政府は新型護衛艦を順次
導入して2030年代に新型護衛艦22隻にする方針を固めた、という
記事である。
沖縄県の尖閣諸島を含む東シナ海で中国海軍が活動を活発化している
事に対応するためだという。
われわれは、安倍政権下で、どんどんと日本の防衛政策が強化されて
来たことを知っている。
今度の新型護衛艦導入もそうだが、あらたな防衛力強化のスクープ記
事がこれまで断片に報じられ、その時は衝撃を受けても、やがては忘れ
去らる、その繰り返しだった。
しかし、それら個別的、断片的な防衛力強化策が、どのようなわが国
の防衛政策の基本理念の下で導入されるものか、体系的に知らされたこ
とはない。
それを国民に教えるのが、中・長期的防衛政策、つまり今度の防衛計
画の大綱であるが、その防衛計画の大綱が、国民が何も知らないうちに
つくられ、12月には決定されるという。
そればまるで当たり前のように報じられる。
おそらく国会でまともな議論がされないまま、あるいは野党が形ばか
りの反対をしても、何ひとつ修正されずに成立するだろう。
あってはならないことだ。
こんなことはこれまでの日本の政治では考えられなかったことだ。
すべてはこの国から本当の意味の護憲政党が限りなくなくなろうとし
ているからだ。
彼らはいま、骨太の政策論争をやめて、生き残りの為に、野党共闘と
言う名の政局に明け暮れている。
このままでは日本は憲法9条を失う事になる。
いや、すでにほとんど失っている。
たとえ憲法9条改憲が行われなくても、憲法9条が形骸化した国に
なっているのだ。
これでは日米軍事同盟から永久に逃れられない国になる。
その危機意識が私をして新党憲法9条をつくらせようとしているのだ。
それは、本来は私のすることではなく、この国の護憲政党が党をあげ
て行うべきことだ。
この国の護憲政党の中から、党利党略を捨て、いまこそ新党憲法9条
が必要だという動きが出て来なくてはいけないのである(了)
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