きのうのメルマガで私は書いた。
米国の中国敵視政策(それが言い過ぎなら中国けん制政策)はどうやら本物だ。
しかし、それを日本に来てまで宣言させてはいけないと。
私がそう書いた理由は、対米従属一辺倒の安倍首相なら、それを許しそうだと思ったからだ。
いや、率先して米国とそれを言い出しかねないからだ。
どうやら、私の思い込みは外れそうだ。
きょう11月13日の日経新聞の記事を読んでそう思った。
すなわち、「インド太平洋 消えた『戦略』」という見出しの、その記事の要旨はこうだ。
安倍首相は10月6日にマハティール首相と会談の際、インド太平洋「戦略(STRATEGY)」という言葉の代りに、「構想(VISION)」という言葉を、はじめて使った。
この背景には、安倍首相の日中間の改善の意向がある。
つまり戦略と言う言葉は軍事用語であり、相手を打ち負かすという意味を与えかねない。
中国との敵対関係を嫌うアセアン諸国の反対がある。
一帯一路かインド太平洋戦略かという選択を迫られるのをアセアン諸国は嫌う。
官邸周辺でかなり議論した上で、マレーシアのマハティール首相との会談で初めて「戦略」から「構想」に舵を切ったのだと。
そして日経のその記事は、次のような言葉で締めくくっている。
「一方、米国は中国への警戒心を隠さない。これまで通り『戦略』と唱える可能性がある。日本政府関係者は『米国とは戦略、アセアンなどとは構想』と使い分ける事になると話す」
安倍首相お得意の、言葉のごまかしだ。
朝ごはんにパンは食べたけどご飯は食べていないとうごはん論法から始まって、FTAではなくTGAだ、そして直近では徴用ではなく労働だという言葉のごまかしだ。
しかし、言葉のごまかしではあっても、中国との関係改善に気配りするようになって来たという事はいい事だ。
板挟みに苦しむ事はいい事だ。
つまり、最後は押し切られるとしても、もろ手を挙げてペンス副大統領と中国敵視政策を宣言するという事にはならないということだ。
私はそれを歓迎する。
果たしてペンス副大統領との首脳会談の後で発出される日米共同声明はどのような表現になるのだろう。
それを岩田明子らが、どのように解説するのだろうか(了)
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