ただでさえ不毛な国会であるのに、どう考えても不毛で終わりそうな臨時国会が始まった。
今日の午後から始まる代表質問などは、各党代表の一方的な自己主張に過ぎないから、聞かなくても分かるほど不毛だし、個別委員会になってしまえば報道されないから、どんなに追及しても国民には伝わらない。
だから予算委員会が勝負なのだ。
ところが、その予算委員会すらあっという間に終わる。
与野党対立になれば、すぐに議論が止まり、あとは国会対策委員たちの不透明な駆け引きに持ち込まれる。
そして、ただでさえ短い会期にもかかわらず、安倍首相の外遊はとどまる事を知らない。
だから野党はよほど慎重に予算委員会に臨まなければいけない。
質問の優先順位を絞り、選挙でなく、国会質問における、野党共闘を行わなければいけない。
ところが、野党は今国会では、入管法改正を真っ先に取り上げるという。
これは大きな間違いだ。
そもそも、突如として浮上した入管法の改正は、与野党の対立法案となるべきものではない。
外国労働者の受け入拡大は、労働人口の減少からくる不可避的な問題で、規制するか、しないかというより、どこまで認め、認めた外国人労働者の人権をどう守るかだ。
そもそも、外国労働者の受け入れ拡大は移民政策につながるものであり、日本のこれまでの政策の大転換だ。
保守の自民党こそ異論が出るテーマだ。
だから野党は自民党の議論を見極めたあとで追及すればいい、
あるいは拙速を避けろと突き放すだけでいいのだ。
野党が移民拡大に反対するなら洒落にもならない。
いつから右翼になったのだと冷やかされて終わるのがオチだ。
それよりも安倍首相を追い詰められる優先度の高いテーマは山ほどある。
国民の大半が望まない自衛隊明記の憲法9条改憲がそれだ。
それ以上に国民が関心を持つのが生活に直結する消費税導入だ。
この問題は国民が一番関心を持つテーマだ。
その消費税増税案が、支離滅裂で、複雑で、矛盾満載の悪しき増税だ。
徹底的に追及すれば消費税増税など出来なくなり、言い出した安倍首相の致命傷になる。
おまけに来年1月から始まる日米交渉がある。
ついにトランプ大統領は日本が市場開放しなければ日本車に20%の関税をかけると言い出した。
何のための日米貿易交渉だったのか。
安倍・トランプの信頼関係は何だったのかと怒鳴りつければいい。
そして、やはり何といってもモリカケ疑惑だ。
次々とあらたな不都合な事実が明らかにされつつある。
こうして考えれば、どれひとつとってみても安倍首相は追い込まれる。
短い今度の臨時国会の会期であっても、追及する時間は十分あるはずだ。
不毛な臨時国会を面白くするのは野党共闘の本気度と力量次第である。
野党もまた試されている(了)
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