米国でまた銃乱射事件が起きた。
しかし今度の銃乱射事件はただのテロではない。
シナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)で起き、「すべてのユダヤ人は死ななければならない」と叫んだ男の乱射事件だ。
ユダヤ人を標的にした銃乱射やテロは欧州でも起きる。
そして、起きるたびに決まって反ユダヤ主義の犯行だと決めつけられる。
反ユダヤ主義は、あらゆる差別やヘイトクライムの中でも、最も邪悪なものだとされ、必ずナチスのホロコーストが引用される。
差別とヘイトクライムを助長するトランプ大統領さえも、いや、イスラエルと一体のトランプ大統領だからこそ、反ユダヤ主義を口にして、「人類に対する攻撃だ、我々は憎しみに打ち勝つため団結しなければならない」と口撃し、誰もそれを笑おうとしない。
その一方で、イスラエルのパレスチナ不法占領やパレスチナ弾圧を口にする者や言及する記事は皆無だ。
おりからガザでは、パレスチナ抵抗組織ハマスに対するイスラエルの空爆が200人以上の犠牲者を出したというのに、国際社会は動かない。
今度の米国の銃乱射事件がそうだというのではない。
これは単なるテロであり、偶然だ。
しかし、その事件から一斉に湧き起こる「反ユダヤ主義」は、イスラエルのパレスチナ弾圧隠しだ。
そうメディアで指摘する者はただの一人も出て来ない。
たちどころに「反ユダヤ主義」のレッテルを貼られるからだ。
そして、ナチスという言葉を口にしたこの国の副総理も、マルコポーロを廃刊せざるを得なかったこの国の右翼編集長も、泣く子と反ユダヤ主義には屈服するしかない。
「反ユダヤ主義」と言う言葉は、イスラエルにとって、「この印籠が間に入らぬか」なのである(了)
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