いくら見せかけの改善だったとしても、安倍首相は日中関係を改善させた。
そして世論もそれを評価したようだ。
しかし日韓関係は、そうは問屋がおろさない。
あす元徴用工賠償訴訟に関する韓国最高裁の判決が下される。
今日の各紙は一斉にその事を書き、もし韓国最高裁が日本企業に対し賠償を求める判決を下すなら、日韓関係は悪化すると報じている。
そして各紙とも、おそらく韓国最高裁は賠償を命じる判決を下すだろうと書いている。
そうなるに違いない。
なぜなら。ソウル中央検察は10月26日、最高裁前幹部を、徴用工訴訟の判決先延ばし容疑で逮捕したからだ。
昨日10月27日の産経新聞がそのことを小さく報じていた事に私は注目した。
すなわち、逮捕された林鐘憲・最高裁「法院行政所」前次長は、朴槿恵前政権の意向を受け、証拠隠滅や判決の先延ばしをした疑いが持たれているのだ。
かつて私が韓国のメディアから聞いた通りの展開になった。
朴政権下に行われた政治の司法介入について、韓国世論の怒りが燃え上がっているのだ。
文在寅政権は、今度こそ政治介入は出来ない。
おりから慰安婦問題でも慰安婦基金が解散させられようとしている。
日中関係が改善したのは、安倍首相が安保問題や歴史認識問題を封印したからだ。
しかし、安倍首相は韓国との関係で歴史認識を封印するわけにはいかないだろう。
そんなことをすれば安倍首相を支える右翼が許さないだろう。
日中関係の改善とは対照的に日韓関係の悪化は必至だ。
しかし、日韓関係を悪化させたままでは日朝関係の改善は望めない。
日朝関係の改善が望めなければ拉致問題の解決はますます遠のく。
安倍外交の窮地はまぬがれない。
それとも安倍首相は慰安婦問題や徴用工問題についても、従来の強硬な姿勢をあっさり封印するのだろうか。
それでも右翼が反発しないようであれば、右翼は安倍首相に従う単なる安倍親衛隊に過ぎないという事である。
韓国最高裁の判決から目が離せない(了)
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