読売新聞がきょう10月10日から「政治の現場ー日韓宣言20年」という特集記事を開始した。
その第一回目にあたるきょうの記事は、「日韓関係を根底から揺るがす事態が、近く、起きるかもしれない」という言葉で始まっている。
そこに書かれている内容は、韓国最高裁が11月にもいわゆる徴用工問題で確定判決を言い渡す見通しだ、そうなると、個人の補償問題は日韓両国家間で完全かつ最終的に解決された事を謳っているとされる、いわゆる1965年の日韓国交正常化協定(日韓請求権・経済協力協定)が空文化され、韓国内で同様の訴訟に歯止めが利かなくなるという懸念である。
まさしくこの懸念は現実のものとなる。
私はかつて韓国のメディアから取材を受けた時、驚くべき話を聞いた。
すなわち、日本では安倍政権が司法に政治介入したという話しが大きな問題になっているが、韓国でも同様の問題が起きている。
つまり朴槿恵大統領が米国に脅かされて日韓関係がこれ以上悪化しないように、慰安婦問題や徴用工問題で最高裁が政治判決をするように圧力をかけたという疑惑が世論の追及を受けているというのだ。
文在寅政権はその世論の追及から逃れられないというのだ。
いま、まさにこの事が起きようとしているのだ。
しかし、私が本当に驚いたのは、その時、韓国メディアの一人が、事実上の戦後賠償であった日韓経済協力について日韓両政府間で不正使用の疑惑があったのではないかという問題が再燃するかも知れないと語っていた事だ。
私はこの疑惑が日本の国会で取りあげられた40年後ほど前、日韓経済協力を担当していて、その問題の深刻を誰よりも知っている一人だ。
日本ではもはやこの疑惑を知っているものはほとんどいなくなった。
しかし韓国は違う。
朴槿恵氏の父親である朴正煕政権時代の負の遺産は、忘れ去られる事はなく徹底的に糾弾される。
その時の日本の政権は安倍晋三首相の祖父である岸信介政権であり、その後継たる福田赳夫政権だ。
いわゆる清話会である。
ただでさえ歴史認識に鈍感な安倍首相だ。
この問題が再燃すれば安倍政権はひとたまりもないだろう。
読売新聞の特集記事はあすから更に続く。
しかし、それを読むまでもない。
きょうの第一回目の記事で十分だ。
日韓間の歴史摩擦は終わらないのである。
安倍首相では解決できないのである(了)
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