どうやらトランプ大統領は中国との対決姿勢の方向に舵を切ったようだ。
その事を、きのうの日刊ゲンダイで孫崎享氏が教えてくれている。
すなわち、今、米国の中国専門家たちは、トランプ政権が中国攻撃に方針を変えたという見方でほぼ一致しているというのだ。
たしかに、貿易戦争の長期化から始まって、アジアでの共同軍事演習からの中国軍の排除、宇宙軍創設、台湾の蔡英文総統へのあからさまな支援、など、強硬策のオンパレードだ。
そんな中で、いまこそ安倍首相は米中の仲介役を果たすべきだという声がメディアに見られる。
そんな事、できるはずがないだろう。
その事もまた孫崎氏は教えてくれている。
中国と対峙するトランプ政権の戦略は具体性に欠けていると言わざるを得ないと。
というのも、中国はすでに経済力、軍事力がある。
米国内では、中国の大国化を抑える具体策が今のトランプ政権にあるのか、懐疑的な見方が少なくないと。
米国に具体策がないのにどうして安倍首相に仲介役を果たせるというのか。
それどころか米中対立が長期化すればするほど安倍首相は苦しくなるだろう。
ここにきて日中関係が急速に改善しているかのごとくだ。
ついに安倍首相の10月訪中が現実的になり、おそらく習近平主席の訪中も実現する。
しかし、これは米中対立の結果、中国が日本に歩み寄って来たのではない。
ましてや安倍外交の成果などではない。
中国が安倍首相を試しているのだ。
その証拠に習近平の中国は、歴史認識や尖閣問題や一帯一路で一歩も譲らない。
きょうの報道では、ついに東シナ海のガス田開発について、日中合意に反して単独試掘を始めた。
中国は安倍首相を試しているのだ。
米中対立は長期化すると。
日本はどちらを取るつもりかと。
日本企業の事を考えたら答えは明らかではないかと。
安倍首相はこれからますます米中対立に苦しめられることになる(了)
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