安倍政権に支配された最高裁が、砂川事件再審査請求訴訟を却下したのは7月18日だった。
それを知った私は7月23日のブログで嘆いた。
国民にその重大さが伝わらないまま、これで砂川事件はひとびとの記憶から忘れ去られることになると。
残念、無念だと。
ところが、そうではなかった。
「在日米軍は憲法9条違反だ」と断じたあの歴史的な名判決(伊達判決)を跳躍上告させて、みずから最高裁でそれを否定した田中耕太郎最高裁長官が、実はその裏でマッカーサー米国駐日大使と密議していたという衝撃的な証拠が、一人の研究家の手で明らかになったのは2008年だった。
そのことがきっかけで出来た「伊達判決を生かす会」が、「砂川闘争から沖縄、横田へ」というパンフレットを刊行したのだ。
送られて来たそのパンフレットを読んで私は喜んだ。
わずか24ページの小冊子であるが、そこに砂川闘争のすべてが語られている。
それだけではない。
まさしく砂川闘争は、いまの沖縄の辺野古闘争の原点であり、そして砂川、辺野古闘争は、最終的には横田米軍基地に象徴される在日米軍を日本からただき出すという、日本の戦後政治の最終目標であることを見事に教えてくれている。
この冊子は国民必読の冊子だ。
以下に「伊達判決を生かす会」の連絡先を掲示しておくので、興味のある読者は入手して欲しい。
おそらく入手希望者が殺到し、無料で配布されたこの冊子はあっという間に在庫がなくなるだろう。
そこで私は提案したい。
どこかの出版社が「伊達判決を生かす会」の許可を得て版権を取得し、有料で出版するのだ。
そして、メディアがそれを話題にしてベストセラーにするのだ。
この冊子の初版は7月15日であり、最高裁が再審査請求訴訟を棄却する直前だ。
だからこの冊子には安倍首相に忖度した最高裁の卑劣さが書かれていない。
「伊達判決を生かす会」は最高裁の棄却判決を書き加えた上で、最高裁を徹底批判してこの冊子を完成すればいい。
そして、著名な有識者の解説入りで、読みやすい出版物として世に問うのだ。
誰もそれをしなければ新党憲法9条が引き受ける。
この冊子こそ新党憲法9条のバイブルとなる冊子である。
いや、日本の戦後の政治のバイブルだ。
いまの政治が最も注目しなければいけない冊子である(了)
伊達判決を生かす会連絡先
電話 03-3262-5546
住所 東京都千代田区六番町1 自治労会館2階
自治体退職者会寄気付
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