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メディアが書こうとしない日米電話首脳会談の本当の内容

 安倍首相はきのう22日の夜、突然トランプ大統領から電話を受けたらしい。

 メディアは会談後に安倍首相が記者の前で語ったことを、質問もせずそのまま垂れ流して事足れりとしている。

 つまり、朝鮮半島の非核化と拉致問題について話し合ったと。

 日米は非核化で完全に一致しており、拉致問題の重要性についてトランプ大統領の協力を再確認したと。

 北朝鮮問題は確かに話が出ただろう。

 というよりも、安倍首相はその事ばかりを話したに違いない。

 しかし、わざわざトランプ大統領が電話して来た以上、北朝鮮問題が全てではない。

 安倍首相に対し、要求したいことがあったはずだ。

 それではどんな要求をしてきたのか。

 ズバリ二つだ。

 ひとつは貿易交渉についての念押しである。

 先般、茂木大臣が訪米して米通商代表と話し合った新貿易協議は、結論が出ないまま9月に再協議することで終わったことになっている。

 しかし、あのとき茂木大臣は交渉しに行ったのではない。

 激しく交渉した形跡はまったくなかった。

 つまりあの時は、本格協議は9月20日の自民党総裁選の後まで引き延ばしてほしいと頼みに行っただけなのだ。

 なぜなら自民党総裁選までに理不尽な要求をつきつけられると総裁選に不利に働くからだ。

 そして米国は貸しをつくる形でそれに応じた。

 今度は米国の番だ。

 総裁選が終わり、無事安倍3選が出来れば、その時こそ米国の要求を呑む時だ。

 再選されたのだから何でも出来るだろう。

 今度は俺の番だ。

 11月の中間選挙までに日本が米国の要求を呑んで俺の選挙に協力する番だ。

 その事を電話でトランプ大統領はダメオシしたのだ。

 もう一つはEV充電器の日中共同開発について待ったをかけたのだ。

 昨日の読売が一面トップ大スクープし、きょうの各紙が後追いで書いた。

 日本と中国の業界団体が2020年をめどに電気自動車(EV)の急速充電器について規格統一して共同開発することに合意したと。

 これは物凄いニュースだ。

 なにしろ日中が手を組むことにより、世界のシェアの9割を独占できるというのだ。

 それを知ったトランプ大統領は腰を抜かしたに違いない。

 そしてすぐに文句を言って来たのだ。

 日米同盟で中国の覇権を抑え込もうとしている時に、何ということをしてくれるのだ。

 中国の覇権を抑えむどころか、日中覇権で世界の電気自動車ビジネスを牛耳ろうとするなどとんでもない事だ。

 シンゾウ、いますぐ日本の業界に命じて止めさせろと。

 日米電話首脳会談で何が話されたか。

 それを知るには容易ではない。

 立ち会った者しかわからないからだ。

 しかし、それでも毎日の報道を見ていれば容易に想像がつくの。

 それにもかかわらず、メディアは安倍首相の都合の悪いことは一切報じようとしない。

 質問して真実に迫ろうとしない。

 ここまで来れば、もはや忖度ではなく、ただの怠慢だ。

 メディアはここまで劣化してしまったということだ。

 これでは、国民はいつまでたっても本当のことを知らされないままである(了)

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