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オスプレイの本土配備で待ったなしになった地位協定改正

 沖縄知事選が始まろうとしている時に、それをあざ笑うかのように米軍が横田基地にオスプレイを前倒しして配備することが正式に発表された。

 沖縄知事選のキャッチコピーは「イデオロギーよりアイデンティティ」だ。

 つまり本土に差別された形で米軍の負担をここまで一方的に押し付けられることへの反発には、右も左もない、というわけだ。

 しかし、その本土もまた、米軍に差別される形で一方的に米軍の負担を押し付けられているのである。

 いわゆる本土の沖縄化が猛烈な勢いで進んでいるのだ。

 しかも横田基地に配備される空軍のCV22というオスプレイは、沖縄に配備されている海兵隊のオスプレイより、はるかに重大事故率が高いという。

 しかも、前倒ししてこのタイミングで配備するのは、中国をけん制するためだという。

 事故や騒音の負担だけにとどまらない。

 いざとなれば日本の中枢が中国との戦争の基地になるというのだ。

 そして、かくも重大なオスプレイの本土配備であるというのに、事前の通報がないのは、沖縄の場合とまったく同じだ。

 沖縄の場合は日本政府からの事前通報がないと怒っていればいいが、本土への配備は、日本政府も米国からの事前通報なしで行われている。

 誰に怒りをぶつければいいのか。

 新聞報道によれば、「日本政府はオスプレイ5機の正式配備日が10月1日になったと発表した」となっている。

 しかし、その同じ報道が、「この日も(つまり発表のあった8月22日も)配備撤回を求める市民らの上空に轟音が響いた」と平気で書いている。

 つまりオスプレイはとっくの昔から、東京上空を我が物顔で飛び回っているのだ。

 日本は何も知らされず、知っても何も出来ない。

 まさしく、米軍は「好きな時に、好きな場所に、好きなだけの軍隊を」配備できるのだ。

 それを認めたのが日米地位協定なのである。

 もはや日米地位協定の抜本改正は待ったなしだ。

 ひとり沖縄だけの話では、とっくになくなっているのだ。

 ここまで米軍の日本支配が進んでいるというのに、それでも日米地位協定の改定が国政選挙の大きな問題にならないとすれば、日本は政府も与野党も、国民も、主権を放棄して恥じないということだ。

 沖縄はその不満を日本政府にぶつければいいが、日本国民はその不満をどこにぶつければいいのか、という話しだ。

 在日米軍を沖縄からだけでなく、日本全土から叩き出す。

 その事を本気で訴える国民的政党がこの国の政治の中にどうしても必要なのだ。

 いまこそ安保反対なのだ。

 そして今の安保反対には右も左もない。

 沖縄ではオール沖縄だが、日本ではオールジャパンなのだ。

 日本国民としてのアイデンティティを証明する政党がいまこそ必要な時である。

 それを教えてくれたオスプレイの横田基地配備である(了)

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