不毛な国会が終わったと思ったら、すぐに不毛な自民党総裁選が始まる。
8月初めにも安倍首相が総裁選出馬宣言をするらしい。
何をいまさら出馬宣言だと思わせるような自民党総裁選であるが、その総裁選をさらに不毛にさせる野田聖子総務相大スキャンダルがさく裂した。
すなわち、7月19日の朝日が一面で、野田聖子総務相の事務所が、無登録で仮想通貨交換業をしていた疑いで金融庁から調査を受けていた企画会社の関係者を同席させたうえで、金融庁の担当者を呼び、説明させていたことがわかったというのだ。
現役閣僚側による行政調査への圧力と取られかねない行為であり、致命的なスキャンダルだ。
おまけに、この企画会社(東京都)は有名芸能人を広告塔にして話題を呼んでいたという。
朝日新聞は、知っていながらあえてその芸能人の名前を明かさなかったが、きのうの日刊ゲンダイ(7月21日号)がその芸能人はGACKTだとバラシタ。
いまのところ、この野田聖子総務相のスキャンダルについては朝日新聞以外のメディアは追及せず、野党も騒がないが、そのうち週刊誌などが書くだろう。
たとえ書かなくても、これで野田総務相の総裁選の目はなくなった。
ただでさえ不能な自民党総裁選であるが、これでますます不毛になった。
安倍・石破の一騎打ちでは勝負は見えている。
考えて見れば、安倍首相の仇敵であの朝日新聞が、安倍首相の総裁3選に手を貸すように野田聖子潰しのスクープ報道を流したのは皮肉だ。
それほど野田聖子総務相の行為は悪質だということだ。
いくら安倍首相に有利に働くとしても、朝日としては書かざるを得なかったほどアウトだったということだ。
それにしても、安倍首相がここまで暴政をくり返しているというのに、それに代わるまともな総裁候補はいないのだろうか。
そう思わせるほどの自民党の劣化である。
野党に至っては、もはや国民の多くは安倍政権を倒せるとは思っていない。
みな安倍首相と負け比べをしているのだ。
負け比べをして負けているのだ。
これが安倍一強の現実である。
これから9月末の総裁選までの2か月あまりは、これ以上ない政治空白と時間の無駄遣いとなるだろう。
戦後70年経って、日本の政治がここまで酷くなるとは誰が予想しただろう。
そして、政治がよくなる兆しはまるで見えてこない。
誰かが何とかしなくてはいけない(了)
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