私が書いている外交評論は、安倍政権の関係者も注目して読んでいるらしい。
いや、日本だけでなく近隣諸国の外交当局も読んでいるらしい。
それはそうだろう。
批判だけでなく、時として誰にもまねの出来ない名案を提示するからだ。
そして、これから書くこともその一つだ。
きょう7月20日の朝日新聞がソウル、ワシントン発、牧野愛博、園田耕司両記者の記事で書いた。
7月6、7日に平壌で開かれたポンぺオ米国務長官と金英哲北朝鮮労働党副委員長との会談で、英哲氏がポンぺオ氏に対し、更なる非核化措置を取る条件として、朝鮮戦争の終結宣言に応じるよう求めていたと、複数の米朝関係者が明らかにしたと。
これに対し、ポンぺオ国務長官は、終戦宣言を巡る北朝鮮の申し入れを拒まなかったが、具体的な協議には入らなかったと(牧野記者)。
しかし、米側は、トランプ大統領の意向で、今後、北朝鮮に非核化の進展を要求しつつも、朝鮮戦争の終結宣言の協議についても前向きに応じて行く方向と見られると(園田記者)。
それはそうだろう。
北朝鮮の非核化と体制保証は米朝首脳のディールだったからだ。
どちらかが先に優先されるのでは、ディールにならないからだ。
つまり、非核化と体制保証は、同時、包括的に進められなければならないのだ。
朝日のその記事はまた、朝鮮戦争の終結宣言についてこう書いている。
9月にニューヨークで開かれる国連総会の場を利用した終結宣言を目指すべきだとの声が韓国政府内の一部で出ている模様だと。
康京和韓国外相は18日、国連総会の機会を利用した韓国と北朝鮮、米国の3カ国首脳会談について「可能性は排除できない」と訪問先のロンドンで韓国記者団に語ったと(牧野記者)。
これでは駄目だ。
首脳会談はいいが、中国が参加しない首脳会談はうまくいかない。
この朝日の記事を読んで、私はいますぐ文在寅大統領に助言したい思いに駆られた。
文在寅大統領は、いますぐ中国の習近平主席に三顧の礼を尽くして参加要請し、米中朝韓の4カ国首脳会談実現に向けてリーダーシップを発揮せよと。
いまや朝鮮戦争の終結はもとより、アジアの平和に中国の参加は欠かせない。
特に、北朝鮮の非核化と体制保証に中国の協力は不可欠だ。
おりから貿易戦争やアジアの安全保障問題で米中は対立している。
対立しつつも和解の道を求めている。
米中朝韓首脳会談こそ、米朝合意である「北朝鮮の非核化と体制保証」のディールを実現する究極の首脳会談になるのだ。
そして、そのような4カ国首脳会談を提唱する資格があるのは南北首脳会談を成功させた文在寅大統領だけだ。
文在寅大統領が本気で呼びかけるなら、トランプ大統領も習近平主席も金正恩委員長も断る事は出来ないだろう。
いまこそ文在寅大統領は4カ国首脳会談の実現に向けて動くのだ。
もし文在寅大統領がためらうなら、その時こそ安倍首相の出番だ。
私が安倍首相なら、日本は陰ながら4カ国首脳会談を支援する、トランプ大統領なら参加に賛成るよう説得する自信はあると言って、文在寅大統領の背中を押す。
安倍首相にそこまでの度量と外交力があるなら大したものだが、残念ながら安倍首相にはそれは無理だろう。
文在寅大統領にこの私の名案は届くかもしれないが、安倍首相には届かないだろう。
結局私が書くものは、最後は安倍批判で終わる事になる(了)
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