数日前から連載が始まった東京新聞の「権力の内幕 検証・加計疑惑」は国民必読の見事な調査報道だ。
はじまったばかりの報道であるが、加計疑惑が、安倍首相や加計理事長の否定にもかかわらず、まさしく二人の案件であることを十分に教えてくれている。
なにしろ、安倍第一次政権の2007年2月から話が始まり、安倍退陣とともに話がつぶれかかったけれど、2012年12月の安倍第二次政権の誕生で一気に本格化したという経緯が見事に暴露されている。
私が注目したのはきのう7月17日の記事の中に書かれていた次のくだりだ。
つまり「獣医師は足りている」と待ったをかけた獣医師会は、2012年12月に安倍第二次政権が誕生したことで危機感を抱いたという。
そこで獣医師会は、自民党獣医師問題議員連盟会長だった麻生副総理の政治力で対抗しようとしたというのだ。
元衆院議員で獣医師会顧問の北村直人氏がこう語っている。
「安倍さんが総理に返り咲き、再び加計側の動きが活発になった」
「麻生会長へ相談し、(それまで消極的だったのに認める方向に転換した)文科省に抗議の声明文を提出していただいた」
「麻生会長も総理と会談され、説明を尽くされている」
なんということだ。
麻生副総理もまた一方の当事者だったのだ。
加計疑惑を知っていたのだ。
しかも、反対側に担ぎだされて潰そうとしていたのだ。
その麻生副総理が、いまでは安倍首相を擁護する立場にまわり、安倍首相と一蓮托生になって加計疑惑の否定に躍起になっている。
これほど国民をバカにした事はない。
安倍第二次政権がグルになって国民に対する背信行為を重ねて来たということだ。
野党は、この東京新聞の記事をもとに、これからの加計疑惑追及では、麻生副総理を一点集中攻撃すべきだ。
加計疑惑を知らなかったとは言わせないぞと。
単純な麻生太郎はブチ切れてすべてをばらすだろう。
内閣総辞職に直結する政局になる。
はたして野党にその覚悟はあるのだろうか(了)
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