きょう7月1日の朝日新聞が一面トップで報じた。
日本政府が北朝鮮の弾道ミサイルの発射に備えた自衛隊のミサイル警戒監視レベルを6月29日から緩和したことが分かったと。
これが事実なら大スクープだ。
しかし、本当だろうか。
河野外相も小野寺防衛相も、北朝鮮の脅威は変わらない、北朝鮮のミサイル発射停止の行動は見られない、などと警戒を緩めていない。
そんな政府の方針と整合性が取れないではないか。
そう思って読んでいくと次のようなくだりに出くわした。
「・・・日本を射程に収める短・中距離弾道ミサイルの廃棄は進んでおらず、日朝交渉の道筋も不透明な中で、警戒態勢の見直しには慎重論もある。ただ、洋上のイージス艦や駐屯地に展開したPAC3部隊による24時間態勢の警戒監視は長期間にわたり、隊員への負担も大きくなっていることから緩和に踏み切ったとみられる・・・」
「・・・複数の政府関係者が明らにした。(この)自衛隊の警戒レベルの緩和は首相官邸にも報告、了承されたという・・・」
これを要するに、決して安倍政権がみずから進んで警戒緩和決定を下したわけではない。
自衛隊内部から不満が出たことへの対応なのだ。
米朝首脳会談の合意が見られたにもかかわらず、北朝鮮が完全、検証可能な不可逆的、非核化をするまで警戒態勢を命じられるなら、体が持たない、過労死する、と不満が続出したのだ。
そこで北野統幕長が安倍首相に頼み込んで、破壊命令措置を常時発出した状態を維持しながら(つまり北朝鮮の脅威は変わらないという立場は維持しつつ)自衛隊員の常時配備を止めることにしたのだ。
これが日本の防衛政策の正体である。
もし差し迫った危機が本当にあるなら、国民を守るための自衛隊が警戒を怠る事などあり得ない。
もし差し迫った危機が遠のいたのなら、政府はそれを国民に知らせ、自衛隊に警戒態勢解除を命じて国民に安心感を与えるべきだ。
そのいずれでもない、なし崩し的自衛隊のミサイル警戒緩和こそ、この国の防衛政策のいい加減な正体を暴いてくれたのだ。
この朝日の記事は徹底検証されなければいけない。
この朝日の記事をきっかけに、日本の外交・防衛政策の本当の姿は徹底的に究明されなくてはいけないと思う(了)
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