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それでも田中均元外務審議官の出番が来ることはない

 米朝首脳会談の合意にともない、拉致問題解決のために次は日朝首脳会談だ、という声がメディアに高まっている。

 そして、日朝首脳会談といえば2002年9月の小泉訪朝であり、あの時、小泉元首相との間で取り交わされた平壌宣言の精神に立ち戻るべきだという声が高まっている。

 それにともなって、小泉訪朝をお膳立てした田中均元外務審議官がメディアにやたらに登場するようになった。

 ついにきのう6月21日には、超党派の日朝国交正常化推進議連の総会に呼ばれて話したらしい。

 この総会には、衛藤征士郎議員をはじめとした自公議員はもとより、立憲民主党、共産党、社会党の議員も参加している。

 田中均元外務審議官は、あたかも、政権が替わって日本の対北朝鮮外交が一新されれば、谷内正太郎国家安全保障局長に代わって、新政権の外交指南をするのは自分だと、四股を踏んでいるごとくだ。

 実際のところ、谷内正太郎と田中均は、外務省の同期(1969年入省)であり、外務省の事務方トップである事務次官を競い合った時があった。

 もし小泉訪朝があのまま成功していれば、その勢いで田中均が外務事務次官になっていたかもしれない。

 ところがそうはならず、当時、内閣官房副長官補として官邸に出向していた谷内正太郎に次官を譲ることになった。

 その谷内正太郎は、その後、安倍首相、麻生外相の外交を支え、覚えめでたく今では安倍政権の下で日本版NSC局長として安倍外交・安保政策を任されている。

 しかし、その安倍政権もいまや完全に行き詰りつつある。

 安倍3選があろうとなかろうと、安倍政権は早晩終わり、安倍政権と共に谷内正太郎NSC局長も終わる。

 新しい政権になれば自分の出番が来ると田中均元外務審議官が考えているとしてもおかしくない。

 しかし、それでも田中均元外務審議官の出番が来ることはないだろう。

 たとえ出番が来てもうまくいかないだろう。

 なぜなら田中均は拉致外交で大きな誤りをしたからだ。

 手柄をあせって拉致被害者の人命を軽視し、北朝鮮の核・ミサイル問題より拉致問題を優先させて米国の怒りをかったからだ。

 秘密外交に終始し、自分が行った拉致交渉の記録を残さなかったからだ。

 いま公文書の管理・公開が大問題になっている時、この失敗は致命的だ。

 必ず追及されるだろう。

 それよりもなによりも、田中も谷内も、対米従属においては全く同じだ。

 対米従属外交である限り何も変わらない。

 私もまた田中均や谷内正太郎と外務省の同期だ。

 その私が断言するのだから間違いない(了)

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