少し前の報道であるが、5月19日の産経新聞が報じた。
韓国大統領府は18日、朝日新聞記者を韓国大統領府へ出入り禁止にしたと。
その理由は、朝日新聞が18日付の朝刊で次のように報じたからだと。
「韓国政府が4月末に北朝鮮の核兵器や核物質を国外に搬出させる案を米国に提案していた」と。
韓国大統領府は、この記事は「まったく事実でない」と否定した上で、朝日の記者が取材の為に大統領府に出入りすることを禁止したというのだ。
韓国を怒らせるような記事を書くのは産経新聞と相場が決まっている。
リベラル紙の朝日が韓国政府を怒らせる記事を書くとは驚きだ。
朝日新聞は確かな情報に基づいて書いたと主張している。
どちらが正しいのか。
なぜ韓国政府は当惑したのか。
韓国政府を当惑させるような記事を書いて、出入り禁止になった朝日の記者は誰か。
しかし、それらの疑問に答える報道は皆無だった。
忘れかけていた時に、きょう5月30日の朝日が、一面トップで、スクープ報道した。
すなわち、金正恩朝鮮労働党委員長が涙を流す異例の映像が、朝鮮労働党の末端幹部に向けて4月ごろに流されたという。
これは、6月12日の首脳会談開催に向けて、核廃棄の受け入れを行う事を覚悟した金正恩委員長が、末端党幹部に、それを受け入れるしかないと思わせるためにつくった映像だという。
つまり、強盛国家を実現するため努力して来たのに改革がうまくいかないもどかしさから金正恩様が涙を流しておられる、申し訳ない。かくなる上は金正恩委員長に従うしかない、核廃棄をして経済改革の努力を実らせるしかない、と思わせるためだという訳だ。
そういえば、韓国大統領府が激怒したのも、北朝鮮の核兵器や核物質の搬出を米側に提案したという記事だった。
つまり朝日の言わんとすることは、経済的に困窮した北朝鮮が米国の圧力に譲歩して核廃棄と引き換えに経済開発を優先せざるを得なかった、それを韓国の文在寅大統領が仲介して実現しようとしている。それが今度の米朝首脳会談が実現に至った真相だと言っているのだ。
いかにも米国の代弁者である朝日の書きそうなことだ。
もしそれが事実なら、いや事実であればあるほど、北朝鮮や韓国にとっては知られたくない事実だ。
きょうのスクープ記事を書いた記者は朝日のソウル特派員である牧野愛博記者だ。
私は5月18日に韓国大統領府に出入り禁止となった朝日の記者は牧野愛博記者に違いないと思ってこの記事を読んだ。
牧野記者はこう言いたいのだ。
米朝首脳会談で金正恩は核を捨てると言う。
でなければ、体制存続につながる対価を得られないからだ、と。
まさしく米国の考えている事である(了)
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