きょうのテーマは何といってもこれだ。
きょう5月14日の産経新聞が、日本外交の真価を問うことになる一大スクープ記事を報じた。
すなわちトランプ米政権が、離脱した欧米6カ国とイランとの核合意に代わるあらたな合意を目指しているというのだ。
その合意とは、北朝鮮に「最大限の圧力」をかけて非核化に応じさせたのと同様に、対イラン制裁強化を通じ、イランの非核化に向けた「あらたな核合意」を目指すものだという。
しかも前回の核合意は、英仏独ロ中を含めた欧米6カ国とイランとの交渉を通じた欧米6カ国とイランとの合意だったが、今度はアジア、中東の同盟国をも含めた交渉であり、合意であるという。
もちろん、日本もその中に含まれている。
そして、驚くべきことに、すでに12日までに米政府当局者は日本政府とその協議を始めていたというのだ。
つまり米朝首脳会談における北朝鮮の非核化の話をしていた時に、同時に米国は日本に対し、イランの非核化に向けた制裁強化を要求していたのだ。
日本も対イランへの制裁強化に加われと圧力をかけていたのだ。
間違いなくこの米国による対イラン制裁強化への協力要求は、これからの日米外交の大きな懸案として急浮上するだろう。
しかし、日本は対イラン経済制裁強化に協力してはいけない。
米国・イスラエルの対イラン戦争に巻き込まれるからだ。
2003年にブッシュ米政権がイラクを先制攻撃しようとしていた時、私は駐レバノン大使として、小泉政権に対し、米国にイラク攻撃をさせてはいけないと意見具した。
たとえそれが日本にできなくても、日本は決して米国のイラク攻撃にくみしてはいけないと意見具申した。
いまの私は、安倍政権に意見を具申する立場にはない。
しかし、あの時以上に強い警告を発したい。
米国に対イラン制裁強化をさせてはいけないと。
たとえ日本にそれができなくても、日本は決して米国の対イラン制裁強化にくみしてはいけないと。
これ以上の対イラン制裁強化は米国・イスラエルとイランの戦争につながる。
そして米国・イスラエルとイランの戦争が起きれば、それが中東や世界にもたらす混乱と犠牲の深刻さは、あの米国のイラク攻撃の比ではない。
こんどこそ日本は米国の戦争を阻止しなければいけない。
たとえ阻止できなくても、少なくとも日本は米国の戦争に巻き込まれてはいけない。
安倍政権は苦しい決断を迫られることになる。
敵前逃亡の得意な安倍首相だ。
一日も早く日本の総理を辞めたほうが身のためである(了)
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