イラク日報の存在が明らかになって一夜明け、もっぱら官僚組織の文書管理のずさんさばかりが追及されている。
それもいいだろう。
なぜこんな馬鹿な事が起きたのか。
なぜ存在しなかった日報が存在したのか。
そこに組織的隠ぺいではなかったのか。
それを明らかにすることは重要だ。
しかし、いま真っ先に野党が行う事はそれではない。
森友文書改ざんと絡めた追及や、南スーダン日報問題の蒸し返しではない。
出て来たイラク日報の内容をいますぐ公開せよと求めることだ。
なぜイラク日報が隠され続けてきたのか。
そこに何が書かれているのか。
その究明と国民への情報開示こそ求められる。
きょうの紙面でその事に焦点を当てたのは朝日新聞だけだ。
社運を賭けて、安倍政権と生きるか死ぬかの戦いを繰り広げている朝日だけのことはある。
すなわち朝日はきょう4月4日の紙面(時々刻々)で書いている。
一体何が書かれているのかと。
当時小泉首相は「活動地域が非戦闘地域でなくなれば撤収する」と明言しつつ、2004年と2005年に自衛隊イラク派遣を延長した。日報に書かれている状況と矛盾はないのかと。
そして朝日はきょうの社説で書いている。
03年のイラク戦争開戦から15年。米英やオランダの政府は独立調査委員会を設け、「大義なき戦争」の実態を徹底検証した。ところが日本は検証らしき検証もなく安保関連法を成立させ、自衛隊の海外活動の幅を大きく広げた。
防衛相は今月半ばまでにイラク日報を公開するとしているが、「黒塗りばかり」では許されない。イラク戦争の検証に資するよう最大限の開示を強く求めると。
その通りなのだ。
イラク日報の存在が明らかになった本当の意義は、イラク戦争を支持した日本政府の誤りと、自衛隊のイラク派遣の違憲性を否定し続けた歴代政権の虚偽答弁の再検証を催促していることだ。
野党が今緊急に安倍政権に迫ることは、稲田前防衛相の証人喚問ではない。
憲法9条違反の自衛隊派遣を指揮し、帰国後に国会議員になって安倍違憲政権を擁護し続けるヒゲの佐藤の証人喚問である(了)
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