ワシントン発共同が大スクープを配信した。
すなわち、3月9日に習近平主席がトランプ大統領と電話会談をして、朝鮮戦争の当事国である米中と韓国、北朝鮮の4カ国による平和協定の締結を含む、「新たな安全保障の枠組み」の構築を提案していたことが、きのう3月31日にわかったというのだ。
複数の米中外交筋が明らかにしたという。
これは衝撃的なニュースだ。
私は3月29日のメルマガ第240号で大胆な予測をした。
非核化合意の内容こそ最大の問題だと。
そして究極の非核化は朝鮮戦争の終結宣言だと。
この習近平提案はまさしく朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に移行する事を念頭に置いているものだ。
しかし、それだけではない。
単なる朝鮮戦争の終結にとどまらず、朝鮮半島のあらたな安全保障の枠組みづくりを米国と中国で作ろうと呼び掛けたものに違いない。
そして、習近平は、朝鮮半島にとどまらず、東アジアのあらたな安全保障政策の枠組みをも念頭に置いているに違いない。
もし、このような提案にトランプ大統領が応じるなら、中国、日本と韓国、北朝鮮の4カ国による、いわゆる東アジア集団安全保障体制の構築構想は吹っ飛んでしまう。
憲法9条持つ日本の出番はなくなる。
まさしく軍事覇権国の米国と中国による世界の二分割統治につながりかねない構想だ。
この提案に対してトランプ大統領は明確な賛否を示さなかったらしいが、今後の進展次第ではトランプ大統領が習近平主席と取引することは大いにあり得る。
トランプ大統領が最優先する自国経済・雇用ファーストに習近平が協力し、貿易規制問題で譲歩すれば、アジアの平和は中国に任せるとトランプ大統領が言い出しても私は驚かない。
いま我々が目にしているのは、誰も予測できないほどの戦後の国際政治のダイナミックなパラダイムシフトだ。
しかもトップがみずから直接にそれを作ろうとしている。
文字通り首脳同士で駆け引きしている。
安倍首相の日本が取り残されるのは当然だ。
いま日本外交は戦後最大の危機にある。
いや、本来は日本にとって対米従属から自立できる戦後はじめてのチャンスであるというのに、それを活かせない愚を犯している。
その戦犯はもちろん安倍首相であるが、野党もメディアも有識者も、みな共犯だ。
誰一人、日本の取るべき正しい外交・安保政策を提言する者はいない。
これこそが日本の本当の危機である。
いまほど新党憲法9条外交が求められる時はない。
待ったなしにその時が来ている。
私一人が言うだけではなく、影響力のある誰か一人でも、それを言い出す者が出て来なくてはいけないのである(了)
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